「B級と言えども?」デッド・ウィッシュ Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
B級と言えども?
The universe demands balance.
For every yin, there must be yang.
For there to be good, there must be evil.
For there to be life, there must..............!
この作品は、呪われたツボに自分では知らないうちに願いをかけていて、その後、自分の周りの人を含め、すべての人が、逆に不幸になっていく様子を描いたホラー映画として成立している。
父親が亡くなったことを知った金欠の弁護士、アーロン。内心、実家に帰りたくはなかったが......。そうこうして葬儀が終わったので、父親の骨董の遺品をかたずけて処分をし、少しでも自分のお金の足しにしようと思っていたが、そんな彼に対して、母親が、旦那さんの遺品を勝手に処分しようとした息子のアーロンに対して、母親が、突然、感情失禁をして怒りを爆発してしまう。その母親役が、超常現象物やSci-Fi映画には欠かせない、個人的にこの道の大御所と呼んでもよい、リン・シェイさんのご登場となります。御年75歳にして、この映画では、ダレダレの二の腕を平気で見せるようにノースリーブのドレスを着て、口には真っ赤な口紅を塗り、主役のマイケル・ウェルチさんなんて足元にも及ばない、存在感を見せつけている。それとは別に、マイケル・ウェルチさんという俳優さんを知らなかったので、人中あたりに傷があり、何故、そんな傷があるのかと気になっていたが、途中、それが特殊メイクであることに気が付くこととなる。すみません、ウェルチさん。いたって端正な顔立ちをされています。
I'd say you're a lucky man.
It could have been much worse.
We did have to perform a minor facial reconstruction procedure.
Which despite the seriousness of the accident,
I think you're going to be pleasantly surprised...........
「ファイナル」シリーズによく出ている俳優のトニー・トッドさんもわきを固めてそれなりのホラーとしてギミックなど卒がなく、そして特に自動車事故にアーロンがあう場面で、彼の顔中に血のりがべっとりとついていたのだが、その中で白い目玉だけ動くところは、不気味そのものでしかなかった。しかしながら、このシナリオ、首をひねりたくなるところがあり、だれもいないような片田舎の丘の上の一軒家にいくらビラをまいたからと言って"yard sale(garage sale)”に人が集まるとは到底考えられないし、ここでは重要なシーンにつながるのでとても違和感のある場面をなってしまっている。
あくまでも個人的に、この映画とよく似ているものとして、「7 WISH (2017)」があげられると思うのだが、この映画も7つの願いにまつわる不幸を描いていたが、今作と比べるとストレートに死という恐怖を描いているのに対して、この映画はどちらかというと精神的におぞましいものを感じる。
Now in the Bible, they're called unclean spirits.
In the Koran, they're called jinn.
ディズニーが最近公開した映画「アラジン(2019)」に登場する魔法のランプの精ジーニーがここの"jinn"が語源とされていて、その姿かたちが超常現象によくあらわれる得体の知れない魔人や精霊といったもので、古くからアラブの方々が、宗教が確立する前から信じられてきたものになっている。この映画では、煙ではなく、具現化したものが登場し、少し、しらけさせているのだが.......?
この映画にも出てくる、願いの代償という意味。その意味を考えると古くは、約120前に書かれた怪奇小説、"The Monkey's Paw"に題材を得ていると個人的には思っている。この小説は、時代時代に合わせるように形を変えて、しかも多くの小説や映画などに影響を与え続けている。