劇場公開日 2022年5月28日

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犬王のレビュー・感想・評価

全193件中、1~20件目を表示

5.0映画と映画館の魅力を再確認した

2022年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

歌詞字幕つきの無声応援上映に見直してみると、かなり印象が変わる。映画は一つの固定された芸術のようでいて、鑑賞の仕方によって大きく印象を変えるものでもある。実は映画はインスタレーション芸術に近いものかもしれない。
少なくとも『犬王』はそう。固定された作品芸術としても価値の高い作品だが、映画館でたくさんの観客と空間をともにすることで、より大きな力を発揮する。発声できればもっと異なる体験が味わえたのだろうなと思うのだが、今はしょうがないか。
公開前に仕事でオンライン試写で見た時と劇場体験を比較すると、明らかに別の次元の体験だった。パソコン画面で見ても動きの見事さ、美しい美術に音楽など、どの要素をとってもハイレベルだが、劇場では、異なるパワーを宿すようになっているし、歌詞の深みがわかりやすい字幕付きは物語の理解を助けてくれた。一回ごとに異なる体験をさせてくれるのが映画館のいいところ。映画館の魅力を再確認させてくれる作品だった。

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杉本穂高

4.0ジャンルや時代性を超越した、奇怪で爽快なる逸品

2022年5月31日
PCから投稿

いやはや唯一無二とでも呼べばいいのか。これまで観てきたどんな映画とも違い、しかしながら単なる時代劇、幻想劇にとどまらず、どの時代やジャンルにも通底するテーマ性を帯びた一作とも言える。異才と異才が出会うとき、彼らは互いに人間の五感を超えた感覚で相手を見極め、そこで巻き起こる爆発的な可能性に身を委ねようとする。青年が琵琶を爪弾けば、奇怪な外見をした犬王はフレディ・マーキュリーさながらのパフォーマンスとイリュージョンで京の都を席巻。現代に受け継がれし平家物語が当時はもっと多様性に満ちたエンタテインメントだったことへの示唆は実に新鮮かつ痛烈だ。古今東西、人はあらゆる概念を枠にはめたがる。しかしあらゆる革命は頭で考えず肌身に何かをビリビリと感じ取ることから始まる。そこで生じた魂の震えこそが枠組みを壊し、いつしか時代を超えた普遍性を獲得していくのだろう。異才が集結して実らせた本作もまたその確たる証だ。

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牛津厚信

4.5室町時代に実在し民衆を熱狂させた能楽師「犬王」の物語を、歴史的な考察を基にアレンジした「能楽」×「ボヘミアン・ラプソディ」のようなLIVEミュージカルアニメ映画!

2022年5月28日
PCから投稿

本作は「壇ノ浦の戦い」に敗れた「平家の遺物」が海中に眠る室町時代が舞台です。
友魚(ともな)と父親らが、皇位の証である「三種の神器」の一つである「剣」を探しに海へ向かいます。
その後、友魚は都で琵琶法師と出会い弟子入りします。
一方、能楽師の息子で、「呪い」により特異な体つきをしている少年は友魚と出会い、一瞬にして魂が共鳴するレベルで意気投合し、自らを「犬王」と名乗ります。
この2人が、それぞれの才能を活かし、斬新なパフォーマンスを繰り広げ、室町時代の民衆を熱狂の渦へと誘います。
そして「犬王」は、前人未到の境地に達する度に、「呪い」から解放されていくのです。
このパフォーマンス自体は、現存する能楽が確立する前のものなので、アニメーションならではの斬新な表現が可能になるわけです!
本作の要となる「唯一無二のパフォーマンス」を生み出したのは、名作「夜明け告げるルーのうた」の湯浅政明監督。そして、キャラクター原案は、「ピンポン」の漫画家・松本大洋。
この2人は、東京アニメアワードフェスティバル2015 アニメオブザイヤー・テレビ部門 グランプリを受賞した傑作「ピンポン THE ANIMATION」以来のコラボで、「犬王」は、つかみどころのない「ピンポン」の主人公・ペコと性格が似ていたりと、斬新で独自性のある世界観を生み出すことに成功しています。
また、その音楽を手掛けたのは、「花束みたいな恋をした」「あまちゃん」などの大友良英。
森山未來(友魚)×アヴちゃん【女王蜂】(犬王)というアーティスティックな2人のコラボにより「能楽」×「ボヘミアン・ラプソディ」というイメージで「音楽と映像のシンクロ率が凄いライブ感の溢れるミュージカルアニメーション」でした。
野木亜紀子の脚本も骨格を大きく支え、97分という時間で室町時代にタイムスリップし当時の熱狂を感られる唯一無二の体感型の映画です。

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細野真宏

3.5狂乱なる琵琶ショー‼️

2024年3月29日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

怖い

幸せ

舞台は室町‼️という事は時代劇⁉️奇形で奇怪な姿の能楽師・犬王と、盲目の琵琶法師・友魚が主人公‼️ファンタジー、もしくは伝奇ロマン⁉️彼らによる琵琶の演奏‼️熱狂する観客たち‼️その演奏スタイル、曲も含め、まるでロック‼️その高揚感‼️ひとつのジャンルで括れない、無国籍で多国籍なその作風‼️万人受けする作品ではないが、ちょっとクセになる摩訶不思議な作品‼️

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活動写真愛好家

3.0PVの様でカッコ良かった。 物語としては、ちょっと物足りなかったかな。

2024年2月11日
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鑑賞方法:VOD

PVの様でカッコ良かった。
物語としては、ちょっと物足りなかったかな。

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D

3.0発想やストーリーは魅力的だが

2024年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

怖い

興奮

足利の時代にロックを持っていくという発想も、原作付きのストーリーも面白いのだが、主人公二人の顔が成長するに従い、リアルすぎるというか、どこにでもいそうな顔で、しかも微妙に嫌悪をもよおすような、現実にいたら絶対に関わり合いになりたくないような冷たい顔をしているので、どうにも感情移入しづらかった。あと、長い曲のときが単調で、曲調に変化がないので飽きてしまった。同じメロディーで淡々と歌っているだけなので、琵琶法師のような強弱、メリハリがほしかった。

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すみゃん

1.5エレキギター、ベース、ドラムは何処から鳴っているのか

2024年1月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

最初の方はまあまあ面白かったし先の展開に期待も出来ました。
けど歌のシーンになってからは途端にトーンダウン。
曲が単調、なのに異様に長い、退屈だから一曲が長く感じたのかも、でも同じような単調な曲を4曲くらいだったか連続でやられた時は我慢出来ずにスマホをいじってました。
あと1番気になったのはタイトルにも有る通りエレキギターやベース、ドラムが鳴り出した事。あれは何ですか?イメージ?挙げ句の果てにはピアノの音色まで登場しちゃうし、どう言う解釈をしたら良いのか分かりませんでした。橋の上での演奏シーンでは琵琶と大きい琵琶みたいな物と太鼓しか居ないんだからそれだけで曲を演奏して欲しかったですね。
でないと観衆たちが実際にはどんな音楽を聴いて熱狂してるのか分からないですよ。
観衆達が鯨が何ちゃらとか歌い出す所も良くみんな知ってましたね。そう言うのが色々と気になって自分にはダメでした。
アブちゃんの歌や声優としての表現は良かったです。

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センチネル

3.0室町版ボヘミアンラプソディー

2024年1月12日
PCから投稿

 社会的に虐げられて来たものたちが、ロックで社会に刃向かうアツい話だった 表現は独特で人を選ぶところもあったけど、ライブシーンの演出やアニメーションが素晴らしく、当時の設備でこう出来るのかみたいなファンタジー的な部分がカオスで最高でした

 呪いというダークファンタジーな設定もよく、アブちゃんのキャラに魅力を引き立てていました 音楽も三味線や太鼓などをつかい肉声で歌い上げられていたのが、いかにも原始的でエネルギッシュな感じがしてシビれました

 ただ、ストーリーはいまいちわかりませんでした

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大学生1

3.0アヴちゃんの歌唱力!

Kさん
2024年1月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

アニメ・ピンポンが好きなだったこともあって、映像、キャラクターデザインに惚れた。
また、犬王(アヴちゃん)の唯一無二の声と組み合わさって、引き込まれる映画だった。
平家物語について、詳しくないが、昔の時代の話をロックスターのように書くのは斬新に感じた。

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K

4.0リバイバルで見ました

2023年12月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

ロードショー当時知らなくて最近リバイバルで見ました。めちゃくちゃ良かったです。なんというか凄まじい。実写でCG使うよりよい。能楽師や声優を使わず、俳優や歌手が演じてるのがよかったと思う。原作を読みたくなって小説も買いました。

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ねこ

4.5久しく見なかった新鮮なアニメ

2023年11月14日
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鑑賞方法:DVD/BD

アニメのありとあらゆる技術が集まった感じだった。
デザインや動きも素晴らしい。
せつないラストも良かった。

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ドラゴンミズホ

4.0奪われた者たちの共鳴

2023年11月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

なんの咎もないのに一方的に『奪われた』人々が、共鳴し、魂の音をかき鳴らし、奪われた物語を世に訴える。

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romi

2.0アヴちゃんの歌声が素晴らしい

2023年10月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

主人公2人のバックボーンや出会いまではサクサク進み面白かったものの、歌唱シーンはいずれも冗長に感じてしまうものが多く…

歌唱中、犬王たちと共に歌の内容をイメージ映像として流すか、
または映像は演奏と歌唱を描くのみで楽曲を聞き飽きない派手さにするか、
いずれかであればさらに楽しめたかもしれない、と個人的には感じました。

アヴちゃんの歌唱は、期待通り素晴らしかったです。

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870

2.0ライブ

2023年9月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

能とロックが合わさったかのような、
ライブが1つずつ進むにつれて、
進化していくライブエンターテインメント。
最後は600年の年を越えたライブ。

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上みちる

2.5犬王・友魚・二人の友情の物語。

2023年9月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

幸せ

内容は、舞台は平安時代魑魅魍魎の跋扈する京の都で起こる。猿楽と呼ばれる芸能と琵琶法師による🎭コラボレーション犬王と友魚二人の友情物語。要素として皆さんのレビュー通りで、手塚治虫の『どろろ』と世阿弥『風姿花伝』と『平家物語』を組み合わせて、二人の主人公の友情を扱った作品。
印象的な台詞は、『美しい仮面も仮面に過ぎない全ては作り物ということだ』犬王が公家達に花見の宴席でいう言葉。一貫する諸行無常をよく表す言葉で面白かった。
印象的な場面は、友魚が兄弟子と共に京に登る場面の大工仕事や生活風景の場面。槍鉋や板割り茅葺きや墨打ちなど緻密で素晴らしい表現に驚いた。メシいた場面からの音の視点から現れる映像表現は新鮮でした。
印象的な演出は、琵琶法師とハードロック特に、最後の🌸桜散りゆく場面で完全体となった犬王が無音の中、唯一無二の友魚を素顔で探す場面。無表情が非常に悲しく伝わりこの場面での能が一番印象的でした。
最後に、現代の世界で無念を語り継ぐ友魚を違った生き方をしながらもお互いの事を思い合った犬王との再会が感動的でした。平家の呪いを受けた犬王が、呪いを祓う。その呪いを友魚が600年引き摺る。しかし最後に二人は再会。お互いを『犬王!』『友有!』と呼び合う様はカタルシスを覚えます。
『腕塚・重盛・鯨・竜中将』其々のパフォーマンスで合計45分超えという半分はMVの様な作りには気怠さも感じた。ピンポンを強く意識した影も感じれて個人的は好きですが、主題として世の儚さや虚しさに友情を合わせる事には、視野がぼやけてしまう様に感じる所が残念です。余りに素晴らしいアニメーションだけに勿体無いと感じました。色んな感じ方があるとは思いますが、基礎知識無しに見るには厳しい感じもしたので、その点でも勿体無い作品です。

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コバヤシマル

3.5映画の新境地?

2023年9月19日
PCから投稿

どういう映画か知らずに見たので、
ミュージカルであることに途中で気づきました。
アニメでありミュージカルであり、ジャンルを超えた
映画の新境地ってことなんでしょうね。
ただ、歌うシーンが長すぎないかな?
迫力はありましたけどね。

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tochi06

0.5右肩下がりな作品 楽曲が残念

2023年9月11日
スマートフォンから投稿

始まって30分がピーク。そこまでは本当に感動しました。描写、SE、音楽、全てが完璧でした。

ただミュージカルシーンからダラダラです。
あんなに長く聴かせるならば、楽曲はそれなりのクオリティにした方がいいと思いました。

新しい試みを否定するわけではないですが本当に楽曲にセンスがない。

三味線や琵琶は空間を大事にする楽器だと個人的に思ってますが、空いたスペースを適当に埋めるベースとドラムとギター。残念です。

日本の古き良きを昇華させる事もなくぶち壊してます。何故GOサインが出たのか不思議でなりません。

それにつけて森山さんの圧倒的な歌唱力不足。ロックをやりたいのか、なんなのかさっぱりわかりません。犬王の声優あぶちゃんとの歌唱力と差があり過ぎて凸凹でした。

ミュージカルのシーンから恥ずかしくなり、適当に見てました。

最後の輪廻転生でそれとなく締まりがありましたが「転」がセンス無さすぎてもう2度と見る事はないと思います。

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とほかみえみため

2.0ダラダラしてる

2023年8月24日
iPhoneアプリから投稿

ミュージカルにしても曲パート長すぎる、オペラかと思った
曲長い割に曲が良かったり歌うまかったりしないので見てて聞いててしんどい…
アヴちゃんがアヴちゃんすぎる、人物像とかちゃんと描かないからかな
内容が理解できませんでした、なんなんですか?これは

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less_less_

4.5圧倒的ビジュアルと歌唱力の融合。

2023年8月17日
iPhoneアプリから投稿

友人の勧めで前情報なしに鑑賞。
最初は絵柄があまり肌に馴染まなかったが、見ている内にキャラクターの魅力に引き込まれていった。
そして圧倒的なまでのミュージカルパートに魅了され。そこからは独特の世界観に没入している自分がいた。

アヴちゃんの他を寄せ付けない歌唱力、それに全く引けを取らない圧倒的な作画。
二者の融合が本アニメーション最大の強みとなっている事は疑いようがない。

更に本作は、そのミュージカルパートがとにかく長いのが特徴だ。その為見ている内に、画面越しにミュージカルを見ているというよりも、むしろ"ライブ会場で生で体感している"と錯覚するほどの臨場感があった。

テレビモニターでこれだけの熱量を感じるのだから、スクリーンで見た人たちは更に圧倒されたに違いない。

ストーリーのオチは正直意外性はなかった。手塚治虫の「どろろ」のような印象だ。
だが、犬王と友魚の時代を超越した友情の物語には魂を振るわされるだけの力を感じた。

人を選ぶ作品なのは間違いないし、賛否分かれるのも当然だ。だが、この題材をこの手法に全振りした上で周りを顧みず最後までやり遂げた事にこそ真に価値があると思う。

まずは食わず嫌いせず見てほしい。
良いも悪いも分からないまま切るにはあまりに惜しい作品だ。評価はそれから決めれば良い。

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ジョイ☮ JOY86式。

4.5こういう感じすき

2023年7月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

興奮

萌える

松本大洋さん好きなので絵は間違いなく素敵でした。
気味悪さと伝統芸能のかっこよさとロックの熱狂ぶり、友情と憎しみ。切ない気持ちにもなったし、いろんな感情が味わえる作品でした。
女王蜂アブちゃん歌上手くて鳥肌たちました。

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kana