劇場公開日 2023年3月10日

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「警察は何を守ろうとしているのか」Winny マツドンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5警察は何を守ろうとしているのか

2024年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

金子勇(東出昌大)さんのオタク度、少年のような純粋さに好感を抱きながらも、「なんでそれ署名する?」って思うんですよね、みんな。でも、彼でなくても署名してしまうんですよ。
20年ほど前です。私がある事件の参考人として警察で事情聴取を受け、しゃべった内容を元に、警官が作文しました。「私○○は、目撃した事実を、ここにご報告いたします」から始まるような文章(う~ん、古い記憶なのでちょっとはバイアスがかかっているか、どうかな)。安いドラマっぽいぞ、って思ったのは確かです。下々がお上にものを言わせていただく感全開。と思いつつもその場では、こういうもんなんだと納得するしかない。
でも、問題は事実。違和感ありありなんです。いかにも悪い印象を与えるよう、じょうずにじょうずに書かれている。間違ってはいないのですが、ニュアンスが微妙にずらしてある。
でも、やっぱりこういうもんなんだ、と思っちゃうんです。だから、署名してしまう。
映画の中にあったように、書き写すことはありませんでした。警官が書いたのに「私○○は~」で、私が書いた形式。こういうもんなんだ、世の中知らないことがいろいろあるもんだ、と思うんです。
冤罪などという大問題ではなかったのですが、処罰にどう影響したのか。後味がすっきりしない記憶です。
署名すれば早く帰れるとか、後で訂正できるとか、警官は嘘を言っても罪に問われないって、いったいどういう事なのか。「世のため人のためにお巡りさんになるんだ」っていう純粋さは、どこで豹変するのでしょう。小市民は犯罪者にされないよう、身の守り方を知っておく必要はありそうです。
私が知っている警察官は、いかにもお巡りさん、って感じの人。いい人はきっと多いと思うのですが。

マツドン