劇場公開日 2020年11月13日

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「神様の悪送球」さくら 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

神様の悪送球

2022年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

北村匠海のナレーションが優しくて、とても心に沁みます。

「大人になるってことは1人で眠ることではなく、
「眠れない夜を1人で過ごすことである」
ソフトは声の匠海くんのナレーションがいつも冷静で安心できました。
映画は理想の家庭が不幸のドン底を経験して、そして立ち上がる物語です。
西加奈子原作なので、エキセントリックな描写が多々あります。
(奇行・・・は、小松菜奈が担当します、笑)

お兄ちゃん(吉沢亮)を好き過ぎて、感情がコントロール出来ない妹(小松菜奈)
お兄ちゃんの彼女さんに、妹が嫉妬からする行為・・・
穏和な次男(北村匠海)が何発も殴るほど酷いこと・・・
美貴は「お兄ちゃん好き」の度合いが兄妹を超えているなぁ・・・

野球部のピッチャーで4番の兄一(はじめ)は高校のヒーロー。
美しく強くて、眩しくて太陽のような存在。
その兄が交通事故で大きなダメージを受ける。

幸福な家族に《神様の悪送球?!》

受け止めきれずに、一(はじめ)は・・・!!!

長谷川家の愛犬・さくら。
映画の題名にもなっている白い平凡な中型犬です。
自然な演技に目を見張りました。
ただただ尻尾を振っているけど、天才や!

2年間失踪した父親(永瀬正敏)が帰ってきても・・・
車椅子の一(はじめ)が散歩に行っても・・・
愛犬は優しく受け止めて、裏切らない、尻尾を振り続ける・・・
でもそんな「さくら」さえ、言葉を失う事件が・・・
(犬が言葉を失うってとても変だけど・・・ホントなんだよ)

さくら、名優犬・・・空気読まないのに・・・絶妙に空気を変える。
結果として、さくらに救われる長谷川家の人々。

大きな不幸を、なんとかようやっと乗り越える長谷川家の、
ボーッとしたお父さん(永瀬正敏)
チャキチャキ明るいお母さん(寺島しのぶ)
吉沢亮も北村匠海も小松菜奈も・・・そしてさくらも・・・ステキでした。

犬のさくらが家族を繋いでくれる、切なくも暖かい物語です。

琥珀糖