劇場公開日 2019年4月19日

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「重くやり切れない実話、ではあるが」ある少年の告白 AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5重くやり切れない実話、ではあるが

2019年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

「ザ・ギフト」を観て、ジョエル・エドガートンすごい、監督と脚本の才能もあるんだ!と感心したので、今作も当然期待していた。実話に基づく社会派の内容ということで、新たなジャンルに挑戦したのは買うが、映画としての面白さは残念ながら監督デビュー作にとどかなかった。今も米国各地に残る同性愛者の矯正施設を告発する姿勢は支持するし、牧師の息子という親子関係が問題を一層複雑にしていることも興味深い点ではあるが、優等生的な意見表明や啓発の域にとどまっている気がする。

ニコール・キッドマンが演じる母親がラスト近くで行動を起こす展開で救われた気持ちになった。オーストラリア出身のエドガートンがオセアニア人脈で主要キャストを配役したか。ラッセル・クロウはNZ出身だし、キッドマンはハワイ生まれの豪州育ち。怖い施設職員を演じたレッチリのフリーも豪州出身。ただしルーカス・ヘッジズは米国人だが。

高森 郁哉