劇場公開日 2019年3月23日

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「補えない喪失感」セメントの記憶 tktkさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0補えない喪失感

2021年5月5日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

戦争で失ったのは住処と家族だけではない。安全に生きる権利や思い出を失ったまま、富裕層がお膳建てした「Scrap&Build」なる綺麗事の元、過酷な建設現場で働く戦争被害者(シリア移民)達の圧倒的虚しさ。
戦争がもたらした破壊は、決して償ったり補う事が出来ないDestroy(破滅)の類だ。
本来庇護されなければならない戦争被害者たちが破滅と再構築に携わっている状況は、賽の河原を体現しているかの様だ。
もし、シリア移民たちに建築業を斡旋する組織と戦争を起こした側が同じだったら…と一瞬残酷な事を考える。
彼らが危険と隣り合わせの現場で築く高層ビルには、おそらく彼らとは無縁の、富裕層が住むのだろう。
爆撃の破壊音や、鉄板やコンクリートを切断する衝撃音は、体験した者の徐々に心を蝕んでいく。
【以下、疑問点】
●シリア移民に過酷な建設業を斡旋しているのは何処の組織なのか?
●建設現場で働く彼らがスマホを使っていたが、あの環境で通信が使えるんだろうか?
●身元保証が覚束ないのにスマホの契約はどうやっているのか

tktk