劇場公開日 2020年3月6日

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「題材はともかく、映画のできは酷い」Fukushima 50 kennyさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5題材はともかく、映画のできは酷い

2024年2月10日
PCから投稿

まず演技が酷い。役者が下手とかじゃないよ。ともかく上から下まで全員、怒鳴り合ってるだけ。緩急もへったくれもない。それは監督がそう指示しているから。同じく想定外の事故災害対応映画「アポロ13」とかと比べると泣けてくる酷さ。抑えた演技で怒りを表現するくらいの技見せろよマジ泣けるわ。

途中出てくる外国人の要人だのニュースキャスターは、一瞬映るだけでわかる大根演技。無名でいいんだから、せめてうまい奴使えよ。下手くそな福島弁のど下手芸人とか使ってなにやってんのよ。

とまあ、最初から最後までいらいらするだけの映画。そもそも福島の水素爆発は、当時の菅首相が「俺が行くまで何もするな」と厳命し、事前ベントを禁じたから起きた人災だ。その事実に本作も触れてはいるが、「最前線で活躍するかっこいいボクを国民に見せたかった」という総理の動機に斬り込まずに流すだけ。日本の悲劇を題材にするなら、題材に対してのリスペクトは必須。だがその欠片すら感じられない「金儲け」狙いのエクスプロイテーション映画に堕ちたのは、残念という言葉では表現できないほど悔しい。何年後かに甲状腺がん(だったよなたしか)で亡くなった吉田所長を始め、あの事故で何人死んだと思ってんのよ。恥を知れ。

kenny