劇場公開日 2020年3月6日

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「3・11最悪の事態から日本を守り抜いた男たちの記録」Fukushima 50 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

5.03・11最悪の事態から日本を守り抜いた男たちの記録

2022年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

3・11~最悪の事態から日本を守り抜いた、男たちの記録
忘れもしない2011年3月11日。
マグニチュード9。最大震度7の大地震が東日本を襲った。
大津波に家は、車は、人は流されて、死者1万6000人。
家を失い避難民は40万人を超える未曾有の災害だった。
(今、避難生活の場は全国に及ぶが、関東に1万8000人。
東北各県に1万3000人が住んでいる。
県外の避難者数は福島県からが2万7000人、宮城県からが3400人。
岩手県からが770人。
これだけの多くの人が故郷を追われた)

この映画は福島第一原発に焦点を当てた映画です。
そのとき福島第一原子力発電所では、津波と地震によって全交流電源を喪失した。
そのため原子炉を冷却できなくなった。
この映画「FUKUSHIMA 50」は3月11日日から丸五日間。
不眠不休でメルトダウン(炉心溶溶)を防ぐため、手動で《ベント》を実行した、
中央制御室当番長・伊崎利夫(佐藤浩市)の下で働く男たちと、
指揮をとった第一原発所長・吉田昌郎(渡辺謙)など50名の命懸けの日々の記録です。
《ベント》とは、格納容器の外へ気体を放出して、圧力を下げて、結果、爆発を防ぐ作業です。

私はその日、3月11日。経験したことのない揺れの地震に驚きました。
午後2時42分でした。
福島第一原発が大変なことになっている・・・それは翌日知ったと思います。
テレビ・ニュースでは原子炉建屋の映像が望遠カメラで逐一、流されていました。
やがて原子炉の1号が爆発。
ニュースもパニックでした。
続いて3号機が大爆発。
絶体絶命のピンチでした。
この頃、吉田所長のインタビューもたびたび流されて、男っぽい頼りになる印象。
東電の本店は終始、官邸との間に挟まって、右往左往していた。
当時の総理大臣・菅直人は、真っ先に事故現場の第一原発に自衛隊ヘリコプターで
乗り込みました。
後々、総理大臣が邪魔だった。
彼の指示はむちゃめちゃで、ベントが遅れたり、原子炉をメルトダウンを遅らせるための海水注水を、突然「中止せよ!!」など、目を覆うばかりの横暴ぶりだった。

しかし現場の最前線で指揮をとる伊崎と現場作業員や、吉田昌郎所長は最悪の事態だけは避けたいと、奔走する。
何より勇気を持ち、死を覚悟してベントを開けに真っ暗な原子炉建屋に開けに行った作業員。バルブは焼けつき、手動でベントを開けるしかなかった。
(この場面が本当にハラハラしました・・・生きて帰れるの?と、)
メルトダウンはもう目前でしたね。
彼らは本当に命懸けで、よくぞ行ってくれましたね、感謝しかありません。
原子炉2号機が爆発していたら、今の日本はなかったです。
それは東日本の壊滅を意味していた。
最悪・東日本は放射能で汚染されて半径25キロメートルには住めず、
5000万人の人々が避難民になるところでした。

福島原発の1号機では廃炉の手順に11年経った今も苦戦して遅々として進みません。
狭い日本に原子力発電所は54基。
廃止・解体中(26基)
稼働しているのは9基。
建設計画中と建設中止と錯綜しています。
廃炉のプルトニウムの捨て場も困難な中、核のゴミをどうするつもりなのでしょう。

東日本大震災以上の地震と津波が来る確率は、考えたくないですが、
かなりの確率であるでしょう。
天災は万全の備えをしても、人間の力ではどうすることも出来ない破壊力があります。
(日本が世界の活火山の7・7%を有する世界有数の火山国なのを、恨みたくなります。)

琥珀糖
りかさんのコメント
2024年2月10日

2年ぐらい前に何回か観ましだが、
レビューできずにいました。
やはり北海道迄、響いたのですね。関西圏は、TVで観る迄わかりませんでした。
皆絶句❗️🦁

りか
kossyさんのコメント
2022年7月23日

琥珀糖さん、コメントありがとうございます。
いまだに廃炉などの後始末が滞っているのに、まだ建設しようとする意図がわかりませんよね・・・いろいろと批判も多い映画ではありますが、これはこれで上出来だったと思います。

kossy
琥珀糖さんのコメント
2022年7月6日

クリストフさん♪
お返事ありがとうございます。
「さよならくちびる」は2〜3年前に観た映画ですが、
忘れられずに最近も観ました。
門脇麦のぶっきらぼうな会話は、傷付きやすさの裏返しみたいでしたね。
声も歌も表情も沁みますね。
ロードムービーはいいですね。
函館の金森倉庫群がとても素敵でした。

「FUKUSHIMA50」
そうですね。準備期間も長かったようですね。
ドキュメンタリー映画のようで、原発内部の様子が生々しく迫りました。

琥珀糖
クリストフさんのコメント
2022年7月6日

ちなみに
「Fukushima50」も、
意外と良かったですね😊
震災直後にやった映画たちとは一線画して、冷静な視点が迫ってくる良作でした。

クリストフ
クリストフさんのコメント
2022年7月6日

失礼します。
「さよならくちびる」へのコメントありがとうございます😊
未だにハルレオバージョン、秦基博バージョン、両方の「さよならくちびる」をよく聴いてます。
門脇麦の歌唱力は素晴らしいですね‼️

クリストフ