劇場公開日 2020年2月28日

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「全部「夢」だと思えば、自分も見るかもしれない」ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5全部「夢」だと思えば、自分も見るかもしれない

2020年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

3D版で鑑賞。
端的に言えば、“期待外れ”だった。
若い監督の“実験的シネポエム”に付き合わされた、という印象だ。

映像的にも、ストーリー的にも、“つぎはぎ”だらけだ。
女優は一人2役だし(それすら最後になって、やっと分かったくらいだ)、少なくとも、自分はストーリーは全くつかめなかった。
「地球最后的夜晩」の雰囲気ではないし、“フィルム・ノワール”でもない。

ほとんど夜間の映像で、昼間でもトンネルの中だったりして、ともかく暗い作品だが、映画「ブレードランナー」の雰囲気や映像美は期待できない。

(2D版は知らないが)3D版のメリットも、「後半60分間ワンカット」の意味も、ないと言えるかもしれない。
カメラは独自に動くので、登場人物が視界から消えては、再び現れるだけだ。
リフトのシーンでは、この先“1人称ゲーム”の感覚を味わわせてくれるのかと思ったが、そうでもなかった。

とはいえ、「後半60分間」を全部「夢」だと思えば、自分もこんな「夢」を見るかも知れないと思ったりするのである。
3D版であり、「ワンカット」であればこそ、「夢」の感覚が映像化できたのかもしれない。そこは、高く評価したい。
「夢」にストーリーなどないし、“つじつま”が合うわけもない。空も“飛ぶ”だろうし、髪型の違う同じ女が出てきたって不思議ではない。

ラストの“2本の花火”は、良い終わり方だった。

Imperator