劇場公開日 2019年7月26日

  • 予告編を見る

「ファンタジー海軍と呪いの子ども」アルキメデスの大戦 ipxqiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ファンタジー海軍と呪いの子ども

2024年5月7日
iPhoneアプリから投稿

あれれ〜?変だなぁ、ゴジラより全然おもしろいよ〜?
シナリオも、ところどころヤボ(蛇足)感なくはないけど、割と抑えられてて悪くない。
ていうかつまんないと感じる時間がほとんどない。これが日本映画だとかウケる〜
やればできる子!普段からこの調子でやってよー!

後半はもっとスパイアクション的になるかと思いきや、割とひたすら計算。それで正解なんだけどビジュアル的には地味→戦艦大和という問答無用の大ネタ→企画の勝利。そしてなにより戦艦大好き、大和ラブ!って人が愛情たっぷりに監督したことあってのミラクルなのかな。
VFX含めてこの出来は作り手にとっても快挙だろうし、さすがの庵野秀明も嫉妬したのでは?と思わずにはいられない。どうせならスピルバーグにはこっちを見てほしかったなー

菅田将暉はきっちり作品のトーンに合わせてくる的確なチューニングぶり。そこへ初手からギャグすれすれの帝国軍人仕草をかます柄本佑。つくづく、君のおかげで助かる命がある。
世に奥野瑛太が出てる映画はおもしろいの法則があるそうですが、今回もヌメっとした小悪党がいい。そういう奴にしか見えない。
そしていくらなんでもカッコよすぎの舘ひろし、絶妙な温度感で美声をかます國村隼、やや悪代官風味の橋爪功、と三者三様のゆかいな海軍と仲間たち、そこへ来て一番おいしいところを持っていくのは田中泯。
身体は大きく動かさず、絞った声とオーラだけで周囲をねじ伏せていく場面のスリリングさはまさに圧巻と言っていい。上手とか下手とか以前に胆力がスゲー、と思いました。そして最終的に悪魔かな?って思うようなキャラクターに仕上がってるんですよ!山田くーん、このキャスティングした人に座布団10枚以上あげてー!

原作の力があるとはいえゴジラより断然、好感触だったし評判以上だったので驚いた。
多少、演出が薄味すぎん?とか、わざわざ合わない劇伴をうっすら流すのかな謎…という場面もあるにはあったけど、そこまで多くはない。
とにかく冒頭のスペクタクル場面は山﨑貴+白組の気合いが炸裂してて想像以上だっだし、それがストーリー的にもちゃんと意味があったりなど、この手の娯楽映画としては文句なしの水準。えっ、私の基準、低すぎ…?

まぁ彼らが国家について語る時、なにしろそこに「陛下」のフレーバーがない限り、あくまで戦前の皮をかぶった現代人にしか見えませんけどね。。

ipxqi