劇場公開日 2019年2月8日

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「オリジナル最後の機会となるかもしれない製作に感謝」劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ ゴトーさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0オリジナル最後の機会となるかもしれない製作に感謝

2019年3月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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仕事の合間の時間を見つけて平日14時頃の回に足を運んだけど、客席がいっぱいで驚いた!みんな仕事してんのかよw しかしその顔ぶれは自分を含めミドル層が多く「みんなオリジナルキャストでの新作シティーハンターを楽しみにしていたんだろうなあ」と思いました。

もう一曲目にAngel Night〜天使のいる場所〜ってズルいだろっての(笑)。他にも夕方の再放送時にTVから聞こえていた曲がテンコ盛!シーズンの花粉症の影響かもと思ったけど、何度も目頭が熱くなりグスっとした。周囲の席からもグスグス音が聞こえて来ていたので、演出のツボにまんまと嵌ってしまっていたミドルエイジが多数いたのだろう。※小比類巻の~愛よ消えないで~はちょっとあそこではないだろうと思ってしまったけど。

構成上疑問に思う事も正直ありました。こちらのレビューを一通り読ませていただくとやはり賛否意見出ており、ストーリーの荒さやキャッツアイの扱いなど「どうなのよ?」と思うところはほぼ同意見で、レビューされている方々と同じ感覚でした。「映画ってなっているけど、話は凡庸だしTVスペシャルな内容だよなあ」って思ってシネコンを後にしました。

しかしながらやはりレビューに書かれていましたが「この作品は20年ぶりにオリジナルの声優さん達が集結して作られる作品であり、当時の雰囲気をそのままに映像化したのではないだろうか」という意見を見てなるほど腑に落ちた気がしました。
確かにエヴァやビバップ、攻殻、まどか、と経験してきたシティーハンターを知らない舌の肥えた世代にとっては「こんなのが面白いの?」と言われるかも知れませんが、当然製作陣はそうした誹りが起こる事は予見した上で「偉大なるマンネリ」を選択したように思えるのです。だからこそスクリーンにはいつものシティーハンターが、夕方に再放送していたあの感覚がそのままに甦ったのではないかと思うのです。

・物語はかなり大味ライク。だが、それもいい!
・海坊主はあんなにコミカルなキャラクターだったっけ?
・楽曲が結界師っぽい所が時々あった感じがしたけど音楽は岩崎琢でしたか。劇中楽曲は昔の懐かしいものはそれはそれで、現代のシティーハンターとしてはカッコ良くなかなか合っていたと思う。
・キャッツの顔見せサービスは、ライダーや戦隊の映画で次期シリーズのヒーローがちょろっと顔を出す程度のアレと同じ。ファンとしてはもう少し見せ場があっても良かったと思う。
・しかしながら原作で「海坊主の喫茶店の大家さんはキャッツ?」と誰もが思いながら公式では語られなかった設定が実現したのは良かった。
・返す返すも泪姉さん、藤田淑子さんが鬼籍に入られてしまった事が残念。代役で戸田恵子さんが二役という事だったが、やはり雰囲気は醸し出すには至れなかったと思う。過去作ライブラリでも良いから藤田淑子さんの声で三姉妹が見たかったです。エンドロールには藤田さんのお名前がありましたね。
・女性声優陣も今やレジェンド級の方ばかりでしたが、いかんせん以前のように声に艶がなくなってしまっているのが残念。そりゃ20年という時間が経過しているから仕方ないと言えばその通りなんだけど。時間は残酷か。
・そんな中70歳オーバーであっても主役をきっちり務めた神谷明さんは立派。まだまだご活躍いただきたい。

息の長い作品になればなるほど演者さん方の高齢化問題は付いてまわり、20年前のオリジナルキャストでの新作は、もしかしたらこれから先作るとすれば困難になるかもしれません。今これが演者さんたちの、ベストコンディションで集結できる最後の機会だったのかもしれないし。そう考えると単発の企画であったとしても、シティーハンターに再会させてくれた製作陣には感謝しかありません。

ああ、シティーハンターの昔のCD「CITY HUNTER dramatic master」探し出して聞こうっと!

ゴトー
bassmanさんのコメント
2019年3月29日

アニメに疎い者ですが神谷さんは本当に凄いと思います!まだまだ頑張ってほしいなぁーと勝手に応援してます^^

bassman