劇場公開日 2023年11月3日

  • 予告編を見る

「明転・暗転」サタデー・フィクション ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0明転・暗転

2023年11月8日
iPhoneアプリから投稿

オダギリさんと中島歩さんが出演している映画という情報頼りに鑑賞。地味に一回も予告を見なかった作品でした。

劇中で違う作品が流れながら、現実の話も同時進行するのは「アステロイド・シティ」に近いなと思いました。ただそちらがあまりハマらなかったので、これはどうなるんだろうと身構えながら観てしまいました。

正直、前半のドラマ部分は退屈でした。何か光るものがあるわけでも無く、それが劇中の作品と連なって進むので、今が一体どの時間帯なのかが混乱しますし、登場人物もやたらめったら多いので色々と考えてしまいパンクしかけました。

終盤、それまでのスローなドラマとは一変し、室内での銃撃戦が加速していきます。
この作品の良かったところはこの銃撃戦の最中に行われる電源のスイッチのオンオフでの暗転と明転で相手を惑わす戦い方は漫画的で面白いなと感じました。
ユー・ジンの早撃ちだったり、車体の窓抜きで撃ち殺したりとしなやかさと躍動感を兼ね備えており、とても魅力的でした。比較するのもアレですが「リボルバー・リリー」の最高到達点がこの銃撃戦だったんじゃないかなと思いました。ユー・ジン無敵すぎないか?とは思いましたが、そこはフィクションというご愛嬌で。

今年何本出てるんだ?ってくらい出演されている中島さんがいつものダメ男っぷりとは全然違うハードボイルドさ全開の渋い軍人役には痺れました。この作品きっかけにこういう渋カッコいい役が増えればいいのになと思いました。

前半のドラマを耐え抜けば、モノクロで魅せる芸術的ハードボイルドな作品が堪能できるので、もう一回観てドラマ部分を理解しようかなと思いました。

鑑賞日 11/7
鑑賞時間 13:50〜16:05
座席 E-1

ブレミン