「脚本がすばらしいんですよ」宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章「天命篇」 unangpさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0脚本がすばらしいんですよ

2018年2月4日
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いやすばらしかった。
お見事。
私は約40年前から、旧作の「さらば宇宙戦艦ヤマト」がヤマト全作の中で最高傑作だと信じて疑っておりません。
以来毎年のようにヤマトの新作が量産される度に、毎回期待と不安と共にヤマトをずっと見守ってきました。
前作2199は、駄目でした。アホ毛のある現代的なキャラも駄目でしたし、物語も全体主義と個人主義が錯綜しており、それって単なるワガママでは?みたいな展開になったりして、私から見ると登場人物の性格が支離滅裂に見えてしまい、なかなか入り込めませんでした。
しかーし。
だがしかーし。
そんな私をして、今回の2202、ここまでのめり込ませるとは。
ちなみに、福井晴敏先生は小説のファンでした。戦場のローレライとかターンエーガンダムとか、氏の小説はすばらしかった。小説は。
しかし、私は彼にはその渾身の力作の筈だったユニコーンガンダムで裏切られ(なんだよあの単に思わせぶりなだけの展開は)、CG版キャプテンハーロックでけちょんけちょんにされてきました。俺のハーロックを返せ!!とスクリーンに向かって絶叫したかった最悪作品。
で、と言う訳で、今回の2202であります。正直本当にノルのかソルのかドキドキでしたが、福井晴敏先生、今回は脚本がお見事!であります。感服いたしました!!!
これは何が凄いかというと、旧作のヤマトの登場人物の「思い」のベクトルを1ミリも変えないで、新設定にして見せたことなんですよ。
我々旧作ファンが感情移入するのはこの「思い」なんで。このベクトルが変わっていなければ、無理なく感情移入できる。それに見事に成功している訳ですね。さすが福井晴敏先生です。
例えばこの時代に「愛」なんてテーマ。臭っ、てなりますよね。そうならないように旧作の設定を現代的にひねりつつ、しかし、登場人物の「思い」のベクトルは1ミリも変えない。そこがすごい。
脚本家福井晴敏先生バンザイ!
第五編以降も期待しておりますよ!
旧作を超えちゃってください!!!

unangp