劇場公開日 2017年11月4日

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「映画として昇華しきれていない。元の舞台は良いものかもしれないが映画としては舌足らず。」ゆらり もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0映画として昇華しきれていない。元の舞台は良いものかもしれないが映画としては舌足らず。

2021年8月2日
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鑑賞方法:VOD

①冒頭のエピソード(妻子を捨てた男が娘に一目会いに来る)はバッサリ切った方が良かったと思う。あの民宿を紹介するのと親子の話だということを告げる導入部のつもりだとは思うが、眠気を誘うほど抑揚のない演出で正直退屈だった。これに2時間付き合わされるのであれば観るのやめようかな、と思ったくらい。ここはバッサリ切って本題をもっと濃く描くべきである。②如何にも元は舞台です、というのが映画を楽しみたい想いを邪魔する。突然出てくる過去をリプレイするリモコンとか、突然現れる孫娘(内名理名)とか、元の舞台劇はこんなんだったろうなと想い描けるぐらい舞台臭い。それだけ映画として消化されていないということで、舞台という空間に役者の身体を使って表現する舞台劇と、映像をもって表現する映画との違いがわからなかったのかしら。③舞台劇を一度解体して、映像で描くものとして再構築しないといけない。海外では、例えば有名どころでは『アマデウス』最近では『ファーザー』のように元は舞台劇でも見事な映画となっているものは多いのに、日本は映画化しても元の舞台臭さが残っているものが多い(私の観た範囲ででは)。日本では映画より舞台の方が格上だと思われていて、舞台に大きく手を入れるのは嫌がられるのかしら。④渡辺いっけいは相変わらず達者。鶴田真由も大分落ち着いた女優になったが役が如何にも辛気臭い。内名理名と平山浩行の元夫婦の話が一番映画に向きそうだが他の部分と同様淡々とし過ぎて物足りない。⑤舞台的な作為が鼻について、私は涙腺は緩い方だか全く泣けなかった。

もーさん