劇場公開日 2018年3月10日

「ステキな余韻」坂道のアポロン fumitsukiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ステキな余韻

2018年3月15日
iPhoneアプリから投稿

原作未読、アニメ未視聴で観にいきました。

まず皆さんのレビューどおり、吹き替えなしの音楽シーンがとにかく最高でした。
もちろん役者さんは一つの作品にかけられる時間は限られていますし、変に下手な演奏ならば吹き替えでも私はよかったです。今までは。
この作品を観てしまったら…これからは違和感を感じるのではないかと不安になります。

薫(知念侑李)と千(中川大志さん)の文化祭セッションはもちろん、他の音楽シーンすべて本気で楽しさが伝わってきました。
それは、原作やアニメ以上に実写で伝えられる一番大きな点だと思います。
どれだけ上手な演技ができても、音楽シーンで観客にも同じ熱量で感動を味わってもらうのはとても難しいことだと思います。
その点だけで、すごく素敵な作品だと思います。
また、薫と千の2人の世界がつよかったですが、律子(小松菜奈さん)の表情やエキストラで一気に観客もひきこまれていきました。楽しかったです。

音楽以外の友情や恋愛のシーンもとても共感できました。
全く予想していなかった、米軍やキリスト教の関連描写もあって時代や長崎の良さを感じました。
ちなみに私は、ネタバレギリギリですがロックとジェズの対比がすごく好きでした。
どのシーンも三木監督らしい視線の描写が印象的で、どの役者さんもとても上手でした。
だからこそもっと見せてと思ってしまいました。
限られた時間なので仕方ありませんが。

主題歌の小田和正さん、とても良い曲で映画にもあっていて、年代もあっているのでは?と思いましたが、帰り道主題歌しか出てこなくなります。
最高だった音楽シーンの音をもう一度思い出したくなりました。
リピート狙いでしょうか。

帰りに原作買いました。
読むのが楽しみです。

fumitsuki