劇場公開日 2017年10月21日

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「胸を震わす名作!」あゝ、荒野 後篇 やべっちさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5胸を震わす名作!

2017年11月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

前編は本当に興奮冷めやらぬ展開、後編は本当に胸が震える展開と、映画としての完成度は極めて高く、満足度も最高点に近い。

ダブル主演ながら、新次のほうがずっと際立つ展開が多い気がしていたが、全編を通してみることで、ダブル主演の意味、そして本当は健二こそが主演だったのではないかと思うようになる。

小説のほうは700ページほどあり、とりとめもない展開も多い中、よくこれほどうまくまとめられたなと思う。

一点強く言いたいのは、映画COMに限らず、各所のレビューで、「パンチが大振り」だのなんだので「ボクシング」が見てられないという評価で下げている方達がいるが、そういう方はこの映画に何を求めていたのだろうと個人的に思っている。

現代のような精密、緻密な点数を稼ぐボクシングを新次が実行していて、どうなる?映画として楽しいか?
あれこそが映画のデフォルメであって、ひとつひとつのパンチが、たとえば新次の暴力性、積年の恨み、悲しみ、いろんなものが込められているものなのに、それが大振りだなんだの、ボクシングだけの批評に終始している人は、はなからボクシングを見に行けばいいだけで、へそが茶を沸かす感想だと思う。

素人ながら、両者ともしっかりと体を鍛えていて、普通のシーンはこまめなパンチシーンが本格的だったと思うし、この映画の本質をそんなところに見なすというのが残念でならない。

後、この映画がU-NEXTの提携だからか、期間も短かったし、上映館も少なかったのは残念だ。

もっともっとこの映画をいろんな人にみてほしい、本当に心の底から思える良い映画だったと思う。

やべっち