「あれ?」あゝ、荒野 後篇 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
あれ?
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スローな出だしに、じれったいと思うほど「後編」を心待ちにしてた自分がいた。
前編はアウトローの特権とでもいうべきか、色々な制約の中で生きる必要はなかった。
だけど、後編になって逃れようのない社会というものがジワジワとその無慈悲さを露わにしてくる。
その不自由さが、作品から受けるジレンマかと思ったら違った。
荒野の割には随分湿っぽい荒野だった。
お決まりの脚本と演出のように感じた…残念ながら。
リングで殴られ続けるケンジは熱演だった。
ジムの閉鎖を告げられたシンジの孤独感も。
役者陣は仕事以上の仕事をしてたと思う。
でも、最後の試合は茶番であった。
顔を殴れないのは仕方がなかろう…いや、そう思わなきゃ仕方がないんだけど!
だけど、接近してボディの連打には興も冷める。そして、その2人を見つめる人々の涙の意味がわからない…。
シンジの母親の涙だけが、痛烈に俺の心臓を鷲掴みにしてた。
何にお前ら泣いてんだ?
そんなにも2人に関わってたか?
…それよりも。
ケンジの独白の真意が分からない。
愛してほしい??
僕はここにいる??
どこにも逃げないで??
離別を選んだのはあなただろ…シンジと親友でいる為に。
最後まで拳を交わす理由がケンジの方にこそあるんじゃないのか?
塗りたくられた血糊も嫌いだ。かえって嘘くさい!
ラストカットも意味が分からない。
誰に向けられた視線なんだ?
この原作は、人は成長しないって事を暗示してんのか?
徴兵制度がある社会背景も何の伏線であったのか、よく分からなかった…。
前編を観終わった後に、街ゆく人の全てに命の迸りを感じたのが嘘のようだ。
総じて、なんか体良く誤魔化され、グダグダな作品に成り下がった印象を受けた。
残念で仕方がない…。
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