劇場公開日 2017年5月13日

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「キム・ギドク監督とは何者なのか。」STOP yanakoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5キム・ギドク監督とは何者なのか。

2017年7月2日
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他の映画にも増して、監督と切り離して見ることは難しいのではないでしょうか。
日本人は絶対にこう表現できないと思いました。
問題をそのまま生でえぐり出してしまう荒々しさが、強烈です。キム・ギドク監督は、この生えぐりが特徴なのではないかと思いましたが、どうなんでしょうか。もう、ガシッと掴んだら離さない!どーなんだよ、これは!みたいな押し出しですね。
問題を包んでぼんやりと見せるという、障子の向こう的な日本人の手法とは真反対ですね。シンゴジラと好対照。
制作の制限からか、実際に事故を体験していた私たちから見たら、え?と思うことも最初は多々あって、違和感を感じながら見ていましたが、そんなの関係ねー、俺が言いたいことはこれだ、というものをバーーンと突き出されて、それを見ていくうちに、その違和感もいつの間にか消えていって、それではキム・ギドクさんは、何が言いたいのかしらという感じになっていきました。
そういう意味では、原発の映画というよりも、キム・ギドクとは何者かということが、よくわかる映画なのかも知れません。
この人の想像力はこうなるんだ、というラストが用意されています。ここには微かな希望の光もありますね。ドキュメンタリーとは違う創作映画の面白さがありました。

yanako