劇場公開日 2017年12月16日

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「歴史の傍観者としてみれば学ぶべき点は少なくない」ヒトラーに屈しなかった国王 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0歴史の傍観者としてみれば学ぶべき点は少なくない

2020年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

スエーデンからドイツへの鉄鉱石の輸入ルートを封じようとしたチャーチルのとばっちりでノルウェー侵攻の口実をヒットラーに与えてしまった、弱小国の中立宣言などはいとも簡単に踏みにじられるものだ。痛めつけられ失うばかりだったノルウェー国民にとってはヒットラーに王室が屈しなかったことだけがせめてもの誇りと言っては言い過ぎだろうか。
だからと言って侵攻6時間で抗う間もなく即座に白旗を上げたデンマーク王室に気概を問うても意味はない、むしろ緩い占領政策となった点では名を捨てて実を取ったとも言えよう、ヒットラーの悪行は論をまたないが、およそ善し悪しの判定などというものは周囲の観察や歴史の進行でどちらにも転ぶものだろう。それにしても古今東西、国盗り物語が人類の歴史の大半を占めているのだから情けない。面白味のある映画ではないが歴史の傍観者としてみれば学ぶべき点は少なくない映画だった。

odeonza