劇場公開日 2017年12月16日

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「これが本当のOH MY GOD!」オレの獲物はビンラディン 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5これが本当のOH MY GOD!

2021年6月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

幸せ

直球すぎる邦題にまたまた〜。
いや、実話なんだって!
アメリカ大好きな主人公が、なんとかしてパキスタンへ行き、オサマ・ビンラディンを生捕にしようと画策する。
アメリカ至上主義かつ、あらゆる神への冒涜増し増しな激ヤバクレイジー映画でした。
まずこんな人が実際にいるってのがアメリカだなぁと思うし、これを映画化しようとするところがアメリカだなぁと。
オサマ・ビンラディンやアルカイダを完全悪とし、子供に向かって「アメリカ軍はヒーローよ。かっこいいねぇ。」なんて今の日本じゃ信じられない。
でも、こういうノリのおじさんってよくいるよね。
それの最終進化系みたいな人が、主人公ゲイリー・フォークナー改めファックナー、自称GもしくはDonkey King。
腎臓が悪く透析中。透析の担当医を上手く騙して資金を得てヨットを買い、太平洋を彷徨った挙句メキシコに打ち上げられ、武器の日本刀を買って空港の手荷物で引っ掛かり、今度はイスラエルに行ってグライダーでパキスタンを目指すも落下。で、なんだかんだ上手くいってパキスタン入国。
ってどんだけクレイジーなんすか笑
どこまでが実話なのか、劇中の夢と妄想と現実の境目もよく分からないけれど、この人ならやりかねない。

アメリカ以外を差別視してきたGが、パキスタンで現地の人の温かさや異文化に触れ、「パキスタン好きになった」と言ってるのはとても良かったです。
宿泊先のホテルマン達とのやりとりが、1番微笑ましいのも事実ですし。

それにしても神のボケが多すぎてツッコミが追いつかない。
「旧約聖書」の続編「新約聖書」をジェームズ・キャメロンで映画化とか、ヒズボラ、エボラ、オバマ、コカコーラの押韻とか、迷える子羊の話は聞き飽きたとか。
下手したら首が飛びかねない、ギリギリラインの発言の数々(いやもうアウトか)。
サラッと片付けられちゃったけど、ひとつだけ真理的なこと言ってました。
「神が人を作ったのではなく人が神を作った」みたいな感じの一言。
上記の通り、パキスタン入国後はほぼ無くなりましたが、アメリカ以外の文化や宗教(キリスト教は含む)への差別もなかなか酷い笑笑
メキシコはロデオ、アフリカはピグミー、日本はサムライ?ニンジャ?どっちでもいいや。
100%日本製のダマスカス剣とは?
Gは島国も嫌いなようです。
もう、全クリスチャンや全ムスリムから怒られてこい。
怒られるだけじゃ済まないか。

一貫して「ビンラディン生捕」を掲げているので、まとまりはしっかりありますが、やや作りに雑さ(不明未解決部分)があった。
例えば、イスラエルに行った時の詳細や資金問題、ラストもよく分からなかった。
アメリカファースト映画(今話題のファスト映画ではありません)のため、なんらかの宗教信者の方やアメリカンな勧善懲悪に不快感を抱く方はご鑑賞を控えた方が良いですね。
それ以前にあまりおすすめしませんw
最後にテロップで出てきた、ご本人がこの映画化の印税で腎臓を買い、今も任務遂行を目指し活動しているというエピソードが1番クレイジーかもしれません。
こういう人こそ意外に長生きする気がします。

唐揚げ