「ひたむきさに思わず泣いてしまう」真白の恋　やべっちさんの映画レビュー（感想・評価）

軽い知的障害を持ったヒロインの話なのだが、演じるのは健常者だけに、最初はその演技をいぶかしく思ってしまう気分に陥ったが、だんだんそれも慣れてきて、中盤以降はそのまっすぐな想いや、ひたむきさが本当に泣けて仕方がない。

作中の富山の雪景色のように、ある意味汚れない真白の心は、よっぽど現代の都会の生活に疲弊した我々よりも健常者に見えてきて、作中のテーマでもある、「障害とは何か」を真剣に考える、自分の中で無意識にあった偏見の目などがとれていく、本当に良い映画だと思う。

登場人物全員（真白の立場、親の立場、兄の立場、男側の立場、従姉の立場など）の気持ち、立場が痛いほどわかるし、全員が一生懸命なので、全編通して、どの立場にも偏ることなくフラットな視聴ができるのも良い。

優しい気持ちが溢れている映画で、何かしら、必ず視聴者の胸に強く訴えかけてくるものがあるので、ぜひとも視聴をおすすめしたい名作だと思います。

蛇足的にはなりますが、ヒロインが女優さんの中では結構ぽっちゃり気味で、足がまぁ太ましいのが、なんだかそれが余計に素人くさくて、感情移入できるきっかけとなりました笑
だいぶ感情移入してしまったので、しばらくはこの女優さんを見るたびに、真白を思い出し、涙ぐんでしまうかなと思います。