「兵士の心に巣食うもの」マン・ダウン　戦士の約束　syu-32さんの映画レビュー（感想・評価）

DVDで鑑賞。

イラク戦争に従軍していたアメリカ兵が心を病み本国に帰還しますが、久し振りに帰って来た故郷の街は何者かによって見るも無残に破壊されていた…という衝撃的な導入部から始まりました。
内容から察して、宇宙人の侵略とか怪獣が出て来るというわけでは無さそうなのが丸分かりなので、ラストで待ち受けているであろう“どんでん返し”が序盤で簡単に予想できてしまうところが難点でした。

しかし、過酷な戦場が兵士に与える影響にはとても残酷でやるせない現実があり、考えさせられるものがありました。
演技派で知られるシャイア・ラブーフの迫真の熱演に心を揺さ振られました。妻役のケイト・マーラもしかり。それぞれの苦悩が伝わって来ました。

似たようなテーマを扱った映画に、クリント・イーストウッド監督の「アメリカン・スナイパー」があります。同作ではストレートにこの問題を扱っていたのに対して、本作では意表を突く趣向を凝らしていて、奇抜さの方が目立ってしまっていました。それによって、内容に深みが感じられず、なんとも残念なことになっている気がしました。