劇場公開日 2016年10月1日

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「極めて高尚な哲学的音楽映像」シーモアさんと、大人のための人生入門 mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5極めて高尚な哲学的音楽映像

2024年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

難しい

完全に見くびっていた。極めて知的な構成で驚く。映像・音楽・言の葉で構成された映像言語による哲学書。パスカルや、エマーソン、シモーヌ・ヴェイユの随想録を想起させられる。人に勧めたくなる逸品。作品内では数々の箴言が飛び交う。曰く「星座が目で見る事の出来る秩序であるなら、音楽は音として聞くことのできる秩序である」。曰く「宗教と音楽の違いは、宗教には信仰が必要だが、音楽は自らの内にあり、しかも楽譜と言う言語が存在する」。曰く「真の芸術とは創作と再現がセットでなければいけない」。作曲家と演奏家が別々の専門家として存在する事への継承。絵画で言えば修復と創作がセットという事か・・・。曰く「金や物で幸せを手にした人はいない」これもまた言い得て妙である。全てがギリシャ哲学の学問4元素、「算術(ARISMETRICA)」「幾何(GEOMETRICA)」「音楽(MUSICA)」「天文学(ASTRO)」の4つによって構成された解であり、この宇宙の原理である、という事を伝えようとしている。

mark108hello