みちていくのレビュー・感想・評価
全3件を表示
女流監督が俯瞰した女子高生の心と体のバランスの危うさ・・・・・・・
今から6年前の作品ではあるが、今どきの女子高生像が女流監督の俯瞰した目線で淡々と描かれている。
男性では描ききれない心と体のバランスの危うさを、噛むという自傷行為に照らし、少女たちの存在意義を二人の女子高生が微妙な距離感を保ちながら進むストーリー。そこには今風なドラマチックな演出は一切排除され、だからこそのリアル感が感じられる。
残念ながら自分は男性なので、お互いの空虚を埋める演出がイマイチピーンと来なかったが、女性にとってはあるある的な感覚を随所に感じる事が出来るのであろう!
作品のテーマになっている、”新月の日にお願いごとすると満月の日に叶うんだよ”、二人は新月に何を願うのだろうか!?
89分が長く感じる
女子高生が色々考えてることが、丁寧にじっくり描かれてんじゃないかな。動きが少ないから長く感じんだけど、そこが逆にいいのかも。
舞台が夏だからみんな薄着なんだけど、そこから生命力が溢れてる感じで「これから旬を迎えんだなあ」って気がした。
冒頭は進路調査票の提出から始まんだけど、ここは《桐島、部活やめるってよ》を思い出したね。高校生が自分を見つめる話は、何やられても《桐島》思い出しそうだけど。
主人公の二人は陸上部のエースと部長なんだけど、この関係は良く解ったなあ。エースと部長は違うんだよね。団体競技なら良かったんだろうけど、個人競技だから、なかなかうまくいかないね。
だから余計に部長の「願いを叶えに来ました」からちょっと感動した。
何者かに成りたくて成れなかったり、望んだものになったのに満たされなかったり、女の子だからいずれ姓が変わることを考えてみたり、大人と自分達は何が違うのか思ってみたり、色んなことが描かれてた。
ぼーっと観ててもまあ楽しいし、暗喩を読み解いてもいいと思うし、好きに観たらいいんじゃないかな。
全3件を表示