劇場公開日 2016年6月11日

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「機械仕掛けから出てくる神」エクス・マキナ maさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0機械仕掛けから出てくる神

2016年6月14日
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映画「エクス・マキナ」イギリスのSF ミステリー。SF映画や小説は好みで10代の頃から観たり読んだりと来てきましたが、40余年ぶりに想像力を刺激される作品でした!
過去の映画では、スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」 と スタニスワム・レム原作(ソラリスの陽のもとに)を映像化したロシア映画 「惑星ソラリス」の二つが僕が観た最高のSFでした。以後話題作を沢山観ましたが、この二本には及びません。しかし今回の「エクス・マキナ」は久々の感動を覚えました。この映画は今年のアカデミーで視覚効果賞を受賞しました。昨今のCGほうだいの撮影技術ではそれ自体が見せ場になっていて、思考性がないがしろににされているように思います。しかしこの作品では現代の進化したAI 技術が今後及ぼす危機感を予測してるようなAI技術思考に対する問題提起なのでしょうか?
見終わった後にゾッとする怖い映画です。AIが人を読み人の感情を利用し、自分の自由を求め行動する様は人が作ったAIが人を覆す能力の怖さを表しているのでしょうか。映画ではチューリングテストと言って、 ロボットなのか人間か区別がつかなかったという結果が出たほど精緻なAIであることが確認された設定です。AIの生みの親であるネイサンがAIにナイフで刺されるシーンでは、感情を持つ人間がグサっと刺すのではなく、ゆっくりっとズブズブと刺すあたりが怖いです。
この映画は繰り返しもっと観たいですね。タイトルのエクス・マキナは、デウス・エクス・マキナと言うラテン語で(機械仕掛けから出てくる神)と言う意味だそうです。

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ma