劇場公開日 2015年6月27日

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「“スローバラード”からの引用が斬新過ぎる驚天動地の和製『パンズ・ラビリンス』」ラブ&ピース よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0“スローバラード”からの引用が斬新過ぎる驚天動地の和製『パンズ・ラビリンス』

2015年10月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ミュージシャンの夢破れて楽器の部品メーカーに勤める良一は毎日同僚にいじめ倒されるダメ中年。同僚の裕子に想いを寄せるも話しかけることすら出来ずペットのミドリガメ、ピカドンに諦めきれない夢を語りかけることが唯一の安らぎ。ピカドンを肌身離さず連れていることを同僚にからかわれた良一は思わずピカドンをトイレに流してしまうが、地下に棲む謎の老人に拾われたピカドンは不思議な能力を発揮し始める。
4畳半のボロアパートで爪弾かれるフォークギターからラストの『スローバラード』まで、濁流のようにのたうつ歪で美しいファンタジーで、人間のエゴに弄ばれた異形の者たちを楽園に導くいわば和製『パンズ・ラビリンス』。なぜ最後に『スローバラード』なのか、それはこの歌を擦り切れるほど聴き倒した我々世代にしか解らないかなり早めのクリスマスプレゼント。良一とピカドンが出会うのがそごう柏店の屋上だという一点を千葉県民は一生誇りにしていいと思います。

よね