劇場公開日 2015年6月27日

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「宿題みなさんやりました?」きみはいい子 さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5宿題みなさんやりました?

2015年7月22日
PCから投稿

子供の頃に誰にも理解されない経験をした人は、他人に心を開く無意味さを知っている。
虐待される子供と、虐待する親と、その双方を被害者として、またその双方を理解しようとする小学校の先生、近所の老女の視点を交えながら描いています。
どのような子供時代をおくったかによって、受け止め方が違う作品のように思います。
今年に入って、一番泣きました。

「ショート・ターム」と同じく、傷付いた心を優しく包む、人肌温度の(人の心の機微をよく理解した)映画だと思いました。
モンスター・ペアレンツと葛藤しながら、子供達と正面から向き合う小学校の先生:高良健吾くん、障がい児を育て「すみません」が口癖になってしまった母親役:富田靖子さん、子供達の自然な演技が印象に残ります。

特に富田さんが、「いい子」だと子供を褒められて、すみませんと何度も頭を下げるシーンでは、同じタイミングで号泣。
また高良くんのお姉さんが、「子供に優しくすると、その子が他の人に優しくする。そうやって世界平和は作られる。母親って凄いでしょう?」という台詞に、大きく頷きました。

先生が出した宿題「家に帰ったら、家族の誰かに抱きしめられてくること」が、そのまま観客に出された宿題で、テーマなんでしょう。
本作を観た人が、帰宅後に誰かを抱きしめる。凄く素敵なことですね。

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さぽ太