劇場公開日 2014年7月19日

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「“体当たり”の人生再生ストーリー」ママはレスリング・クイーン arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0“体当たり”の人生再生ストーリー

2015年7月17日
iPhoneアプリから投稿

いわゆるスポ根+人生再生のストーリー。
この設定自体に新鮮味はないし、
スポーツ経験すら怪しいスーパーのレジ係が、高々数ヶ月のトレーニングでプロと試合をしようなんて絶対無理!とか、
どう考えても低いハードルとは思えない
「プロレス一緒にやらない?」という誘いに、こんなに簡単に乗る?とか、
次々と疑問がわいてくるのも確かではある。
しかし、そんな疑問は観ているうちにどうでもよくなるくらいに、四人の女たちのキャラクターが圧倒的に魅力的。

夫婦関係が倦怠期に突入中のコレットは夫の浮気に悩み、ゴスっぽいファッションで皆に煙たがられているヴィヴィアンは実は容姿にコンプレックスを抱え、おそらく短い関係を繰り返してきたジェシカは恋愛依存症。
彼女たちにプロレスを教えることになるリシャールは、かつて“獅子心王”と呼ばれた人気レスラーだったが、妻亡き後(彼女自身もレスラーだった)プロレスとは距離を置いている(と推測)。
息子の信頼を取り戻したいローズだけでなく、皆それぞれに今の人生を変える“きっかけ”を求めていたのだ。

四人の女優陣は、専属トレーナーから2ヶ月間週12時間のトレーニングを受けて役に臨んだという。
文字通り、正に体当たり!
人生再生を賭けた彼女たちの闘いに胸が熱くなる。

今作の舞台になっているのは、フランスの北部の町リール。
何でもフランス国内におけるプロレス発祥の地ということで、フランスでプロレス文化がこんなに根付いていて、しかもとても人気があるというのは、新鮮な驚きだった。
TVのゴールデン・タイムのプロレス中継、女子プロレスブームなど知っている年代にとっては懐かしさもあり、そのノスタルジーも手伝って胸が熱くなってしまうのかもしれない。

arakazu