劇場公開日 2015年1月30日

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「終盤のドラフト会議本番まで耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ作品。」ドラフト・デイ Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0終盤のドラフト会議本番まで耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ作品。

2015年2月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

興奮

NFLドラフト会議で繰り広げられる頭脳戦。
各チーム10分間の持ち時間の中で目まぐるしく事態が動く。
ドラフト会議本番での怒涛の展開は、さながらジェットコースターのよう。
爽快感、困惑、緊張、そして再び爽快感。
強引な風呂敷の畳み方の見事さにはグッときました。

また作品の前に流れるNFLドラフト会議の説明。
NFLに馴染みが無い日本の観客にも作品が楽しめるよう説明映像が流れる親切設計も好感が持てました。
全くNFLの知識が無い私も作中のドラフト会議を楽しめました。

惜しむらくはドラフト会議までの準備段階。
終盤のドラフト会議に向けてサニーGMに次々と難題が迫るのですが。
その殆どが話のための話という感じで登場人物達に感情移入し難い。

第一の刺客、恋人アリ。
同チームの経理担当の彼女が重大告知。
受け止めきれないサニーに失望して冷淡な態度を取り、サニーを困惑させる。
作中何度も「NFLに、このチームに人生を捧げている」的な言葉を吐く彼女。
にも関わらず、よりにもよってドラフト・デイにGMを惑わす謎の行動。
言動不一致の彼女に全く感情移入出来ません。

第二の刺客、ペン監督。
色々な事情を抱えつつ弱小チームの立て直しを考えて移籍したばかりの彼。
「俺のチーム、俺のチーム」と言う割には裏で結構な事をしでかしている。
結局は有耶無耶になるものの彼がやった事を考えると。。
この人にも全く感情移入出来ません。

第三の刺客、サニーの母。
同チームの過去の名将の妻として認知されているにも関わらず。
よりにもよってドラフト・デイに…以下省略。

どの人物も「よりにもよってドラフト・デイに」という行動が多過ぎ。
その一方でNFL愛、チーム愛を語るので苛々してきます。
で、その言動不一致の最たる人物が主役のサニー。

GMがどの程度権限を有するかは分かりませんが…独断専行が過ぎる。
独断専行を実施出来る程に有能かと言えば。
あまり後先考えずに目先の利益と見えない将来に惑い続ける。
あまつさえ大事なドラフト・デイに恋人の機嫌を取ろうとウロウロしている。
終盤の爽快感を演出するために無能に描かれ過ぎている印象を受けました。

終盤のドラフト会議本番まで耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ本作。

本人役として数々の選手等が登場していたようなので。
NFLが好きな方はより楽しめる作品になっていると思います。
最後の爽快感を楽しむため、長い長い溜めを待てる方。
オススメです。

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Opportunity Cost