グランド・ブダペスト・ホテルのレビュー・感想・評価
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シンメトリーがお好き
ティルダの老けメイクマダムが可愛かった!あと、若き日のゼロの、手書き一本線のヒゲも笑った。
傾斜の、きっつい登山電車とかお菓子屋さんとか、シンメトリーな背景にうっとりしてたら、肝心のストーリーにちょっと置いていかれて焦りました。
アガサが部屋で荷造りしてたときに足音してたよね。あれは殺し屋みたいな探偵がくる!ってことでよいのよね。血塗れの電報持ってたし。んでバスケットから少女の首がでてきたから、あわわ殺されちゃったよ、ゼロなくねっておもってたんですが、
あれ?死んだはずのアガサが林檎と少年の絵を回収しにブタペストホテルにきてるじゃん?さっきの生首はなによ?殺し屋みたいな探偵がもってた血塗れの電報はなによ?というところで理解できずに、そこだけ消化不良になってしまいました。
レンタルでもっかい見直してすっきりしたいな。
総じて、おしゃれでかわいい映像と、軽いブラックユーモアの連発で楽しく観られました。
過ぎし日の彩り。
何ともユニークでファンタジーめいた世界観は相変わらず健在。
総てに渡りその色遣いやデザインが細部の細部まで凝っている。
この監督のファンなら映像を眺めているだけでも楽しいだろうが、
物語は過去へのオマージュ、愛惜そのものだな、と私は感じた。
豪華なキャスト陣(え、こんな役で?というお得意の常連たち)に
完璧なロケ地、セット、衣装、小道具、もう絵本を捲っているようだ。
物語は、年代ごとにスクリーンサイズを変えてしまう凝りよう。
主軸になる1930年代、夢のようなおもてなしを誇るホテルで起きた
殺人事件。絵画を巡って犯人扱いされた伝説のコンシェルジュと、
彼を慕うベルボーイのヨーロッパ中を駆け巡る逃避行。
彼らを助けるコンシェルジュ仲間や、ベルボーイの婚約者の力を
借りて、二人は事件の謎を解明すべく奔走するのだったが…
オモチャ箱かお菓子箱をひっくり返したような色彩と、
ミニチュア世界で、せせこましく繰り広げられていく人間模様。
ブラックなユーモアも健在で、決して大笑いはできない。そして
後半はファシストによる弾圧が描かれ、歴史的背景が否応なしに
眼前に迫ってくる。なのに、ピンク色なのだ。ピンク。ピンク。
目奥に残るのは、鮮やかなピンクの色彩と栄華を誇った時代。
凄惨な場面ですらユニークに魅せてしまう銃撃戦の場面なども、
確かに楽しくはあるのだが、却ってその裏が強調されてるように
感じてしまう私のような性分はこういう作品に向いてないのか?
いちいち考えてしまうのだ、これって、つまり…なんて風に(汗)
しかし、そんなテーマがあってこその郷愁に満ちた愛らしい作品。
過去を振り返り、辛い時代までも砂糖で塗したように表現できる
ことこそが世界中から愛される「完璧なおもてなし」になるんだろう。
サスペンスだったはずなのに?ミステリー仕立てのはずなのに?
肝心のストーリーはどこへいったの?^^;
愉快なコサックダンスで幕を閉じるこの演出こそ、ブレない監督の
真骨頂を記しているような感じがした。この路線で作り続けてね~。
(いや~多過ぎてキャストが挙げられない…やっぱりデフォーか^^;)
ただのお洒落映画と思って食指が進まないのは損!
今年観た映画の中でトップ3級の最高の映画!
ユーモアの入れ方、鮮やかな色使い、表情で物語る演技、テンポ…
全てが絶妙かつエレガントなバランス感覚で作られた作品!
また年代ごとに画面の大きさを変えるなどしっかり映画表現として実験しているところは素晴らしい!
作家ツヴァイクを元にしたグスタフの好漢ぶりは模範にしたいくらいのリスペクト!
ウェス・アンダーソンにウィレム・デフォー
お話し自体は前作のムーンライトキングダムのときよりちゃんとしてたよね。まあ、この人の作品はストーリー自体はどうということはないんですが…。
ムーンライトでぐうかわーって認識されて今度この監督の作品やるならみにいこ❤︎ってことでヒットしたんですかね。
ウィレム・デフォーとハーベイ・カイテル目当てで観に行って、シアーシヤ・ローナンみつけて帰ってきたよ。アガサカワユス!
心が帰っていく場所、グランド・ブタペスト・ホテル
作り込まれた映像美に、プチ贅沢した良い気分。期待通りの満足感でした。
時が過ぎ、変容してもどうしても心が帰っていく場所、グランド・ブタペスト・ホテルの思い出を、老オーナーが語り始めます。
ウエス・アンダーソン監督、「ファンタスティック Mr.Fox」以降、絵本ぽい、お人形ごっこぽい作風に磨きがかかっているって感じ。
豪華なドールハウスのようなホテルやお屋敷の階段を、豪華なキャスト達がちょこちょこ上り下りするだけで笑顔がこみ上げます。悪い奴らもちょこちょこしてます。
やたら大げさな密会も、わくわくでした。
伝説のコンシェルジュ・グスタヴと、新人ベルボーイ・ゼロ、それに彼の恋人アガサ、3人でいる場面が温かくて切なくて大好きです。淡々と感情を抑えた表現だからこそ、そのわずかな揺らぎに心をもっていかれます。
3人とも良かった、特にレイフ・ファインズは流石、素晴らしかったです。
映像はかわいらしくって色彩もラブリー♪
以前「ムーンライズ・キングダム」を観ましたが、好みではなかったらしく思いっきり寝てしまったという思い出があります。
今回は体調を万全にして居眠りはしないゾという意気込みでがんばりました☆
映像は非常にかわいらしくって色彩もラブリー♪
そういうのがお好きな方にはイイのかも。
(映像はラブリーだけど内容はシュールですよね。)
私はそういうのよりも話の内容の面白さを求めているので、これまたイマイチでした・・・
優雅は最大の復讐
1930年代のヨーロッパ(の架空の国)が舞台。
主役のグスタヴは、いわれなき濡れ衣の罪で追いつめられてしまう。
それでも優雅でオシャレな姿勢は崩さない。
彼の優しさやポップな諸々(お菓子や粋な秘密結社)が、彼を救い敵と闘う武器となる。
戦争やら何やらの暗い影もヒシヒシと迫ってきている。
それでもホテルは、優雅で可愛らしくポップで美しい。
いつかは暗い影に呑み込まれてしまうのだろうが、それに歯向かうように、矜持を保つ。
この映画の優雅は、世界を覆う黒い影への反逆であり、復讐であり、唯一の武器だったのだと思う。
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この映画は、まことに楽しくポップであるが、残酷な側面もある。
グスタヴの死…「優雅の喪失」…「暴力的な時の流れに文化が敗北する」のも描いているからだ。
唯一救いがあるとすれば、グスタヴの心意気が、時を経て、ベルボーイから作家へ、さらには現代の読者へと、語り読み継がれていくのが描かれているところだろうか。例え時代に敗北する心意気だったとしても、アンダーソン監督はそれを引き継いでいきたいのだと思う。
そして彼はこれからも優雅を武器に映画を撮っていくのだろうと思う。
緩やかな余韻
ユーモラスで楽しく展開するコンシェルジュ、グスタフのお話。それは戦争が差し迫る中でのお話。そしてそれを物語るのは、現代の作家。こうした形式の映画はいくらでもあるけれども、この対比で切なさを演出する妙は、さすがウェス・アンダーソンって感じでしたね。この余韻を残せることに、やはり才能を感じます。
ただ、全体としては、やはり『ムーンライズ』に感じたような、ちょっと趣味的絵作りに走りすぎのような気もしましたね。
だけど、ゼロの奥さんのアガサが可愛かったです。一瞬だけ、街中を走る横顔が見れたけど、美しかったです、ホンと。
ピンクのホテル
裕福、きらびやか、豪華、贅沢、の中にも哀愁感のようなものを漂わせていた今までの作品と違って、ただ豪華。
紙芝居をめくるように次々変わる細々したシーンは見ていて楽しめる。
でも何だか物足りないのよ。
エイドリアンは悪者に見えなくて(私情)眼差しが素敵。
他のキャストも豪華!エドワードノートンもジュード・ロウもマチューもキラキラしてる。レイフファインズもコメディ髭がお似合い
でも何か足りない。
ムスタファの気持ちに寄り添えないから?
無国籍の難民としての彼と彼を受け入れるグスタブの関係が台詞以外のところで感じにくいから?
チカチカする、もっと味わいたいのに
久しぶりにパンフレットを買いたくなりました。
とっても面白かった!
少し毒のある内容、くすっとなる会話、まぶたに残る映像、さすがウェスアンダーソン。
愛すべきキャラクターとかわいい画が満載で、何年かぶりにパンフレットを買ってしまいました。
他にはない、深く感慨深い幸せ…
今回もやってくれました。
個人的にはムーンライズ・キングダムに魅せられて、期待に期待をもって見たのですが、期待を大きく上回る名作です。
ノスタルジーの強い素敵な世界観は相変わらずなものの、もう、コマーシャルでみたミニチュアみたいなピンクのホテルがかわいすぎて…とは思っていましたが、ファンタジー度合いがさらに洗練されて、本当に入り込める世界観が素敵すぎます。なんていうか、いちいち温かくていちいちかわいい。
作中に雪の中をスキーとソリでチェイスをするシーンがあるのですが、もう作り物感満載(笑)これがまた温かい…。実際の町の素晴らしさもあるけど、なんといってもこの温かさが他にはない素敵さです。
物語は、グランド・プダペスト・ホテルに旅をした作家の回顧から始まりますが、この回顧って手法ってノスタルジーにぴったりですよね。最高のおもてなしを信条する伝説的なコンシェルジュのグスタヴHをしたってくる老女たちで繁盛しているこのホテル。そのグスタブの顧客である大金持ちのマダムDがなくなり、その遺産相続をめぐってグスタブに殺人容疑がかけられ収監されてしまう。グスタブはベルボーイのゼロとともに、嫌疑を晴らすべく奔走するが、事件はさらに拡大し…。
いやまずもって、このグスタブことレイフ・ファインズ。本当に随所にわらかしてくれますよね。ゼロの回想の最初のシーンで、グスタヴがてきぱきと夫人の荷物を準備し、いよいよホテルから出るシーン。夫人は自らの身の危険を感じ、グスタヴとはなれたくないと伝えるのですが、この時のいなし方や身のこなしが本当におもしろすぎる。もてる男ってすごいわーと笑ってしまいます。ただ、このグスタヴはホテルマンとしては一流ながらも、人としてはひと癖あり。老女に人気があるのもだてではないわけですよね。女性には優しく、見栄っ張りで虚栄心が強いのかな。ホテルの中でもとりわけ仲間を厳しくしつけながら、訓示をおこなってしまうほど。
ただ、マダムの晩年をつきそったからでしょう(もうホストですけど…)マダムは名画をグスタヴに託し、その名画をめぐって、マダムの長男にはめられるわけですね。
ここからは、笑いありネタありのファンタジーです。もういちいちテンポがよくって。グスタヴから名画を取り返すために、多くの人が亡くなるのですが、代理人のコヴァックスが指を落とされるシーンとか全然なまぐさくなくって、その演出手法も一環してよかったです。
世界観のよさ、笑いありの仕掛けの楽しさ、テンポの良さも非常によかったですが、個人的にはラストにとっても感動しました。
伏線はたくさんあったのですが、この文豪に昔話を話すのが、グスタヴの弟子でベルボーイのゼロ。
戦争で身寄りをすべてなくして国籍がないままホテルに雇われるわけですが、グスタヴはこの学も職歴もないゼロを雇い続けて、ゼロもまたグスタヴの教えに忠実に職務をこなし…。グスタヴが「ベルボーイはお客様が望む前に望むことをすること」と教えれば、マダムの遺産相続の会議で絵画を譲られることになったグスタヴが、当の絵画を眺めていると、それをはずすための椅子を差し出すほど…いや笑えますけど。身寄りのないゼロはグスタヴに仕え、グスタヴを本当に父のように慕っていたのでしょう。
物語の最初のほうにでてくる、グスタヴが死んだら遺産はゼロが継ぐという話のとおり、ゼロはマダムからグスタヴに引き継がれた遺産を継いで大金持ちになるわけですが、最後は全財産をはたいてこのホテルを買い戻し、年に3回ほど来ては、自分がグスタヴとともに働いた従業員の個室にとまる…。本編ではなくなった愛妻がこのホテルで楽しくすごしたから、愛妻のためにホテルを買い戻したといっていましたが、それにしても、この話の最後ってこういう温かいことだったんだ…って思ったらとても目頭が熱くなりました。
劇中にゼロが作家と風呂に入りながら話しているシーンで、ホテルが退廃してしまっていることに「こういう退廃的なことはわるいことではなく、むしろ好き」みたいなことを言うのですが、ただのどたばたのファンタジーなだけでなく、どこか懐かしい雰囲気もあいまって、過去への感傷的な思いを思い起こさせるラストに繋がってるのかなとも感じてしまいました。
モテ男のグスタヴが死に瀕した間際まで詩的表現を用いますが、この劇中本当に会話を隠喩や比喩で表現するのが多いこと多いこと。それがまた、ノスタルジーを誘うというか、とてもよかったです。
こんなご時世だからこそ、ノスタルジーと人と人のきずなみたいなものにに浸った温かさがラストシーンで身にしみる。そんな映画でした。
ザ・何も考えていない決まり文句「おもちゃ箱をひっくり返したよう」(笑)
スタイルが変わらず、やってこれることは素晴らしいことだ。ましては超豪華キャストに支持される、ということは結果も伴っている、と言ってもいいだろう。
ウェス・アンダーソンはその代表格のような存在。本作も始まって、もう誰の映画か、なんてすぐわかる。
でも正直、この監督の、この世界に俺がなじむことはこれからもない。
前作「ムーンライズ・キングダム」でも思ったことだが、アンダーソンの十八番の「シンメトリーな画面」はあえての四角を意識しての、狭い空間世界を作り出すゆえ、ややもすれば、退屈な画面に陥りがち。
そのため、派手な音楽、急展開なストーリーの盛り上げを思いっきり邪魔をすることもしばしば。
音楽はめちゃくちゃ走っているのに、画面は止まっている。
ましてや、主なパートは画面自体が正方形になっているので、なおさら。
今回もそれも「あえての」演出とは思うが、徹底してワンパターンなので、まあ、カワイイネ!もさすがに飽きもくる。
どこぞのお偉い評論家が、おもちゃ箱をひっくり返したよう、って言ってるようだが、いやいや、違うでしょ。
そうじゃなくって、「おもちゃ箱に顔を突っ込んでる」って感じ。
飽きと退屈は、息苦しい、と言ってもいいかもしれない。そのうち違う意味で気持ちよくなれるしね。
それと英国的ブラックジョークって、正直なんのことかわからないが、前作「ムーンライズ・」も気持ち悪い性的描写があったが、今回は、もうちょっとわかりやすいテーマなのに、毒の盛り方が上滑りをしている印象。
また豪華キャストについても、前作同様、正直その意味が客寄せパンダ的に一層感じる
必要ねえし、むしろ、なぜか困る。
今回の収穫は、女性客を動員する、という点において、とても分かりやすい形で結果が出ているということ。
また今回諸事情にて、スイーツに着目したが、そんなに映画の中では、活きている気はしなかったが、ピンクとスイーツのイメージリンクはストレートで良かったと思う。
映画の内容以外の話題づくりで映画を観る、というのも今後もっと力が入る戦略かもしれない。
追記1
レイフ・ファインズの佇まいとエイドリアン・ブロディの顔のハマリ具合がツボだった。
追記2
音楽は楽しい。でも今回のエンドロールも前作とおんなじようで、そこまで徹底してもなあ。
絵は綺麗でかわいい
でも、話はブラックユーモア。
そして、私は海外のブラックユーモアが好きではないようで、面白いと感じるとこもそれなりにありましたが、笑えねーよって言うブラックなジョークも多かったです。
脱獄するシーンで警備委員?を何人も殺し、脱獄仲間も失ったのに、あーあくらいでスルー。そのあとロビーボーイの戦争の話に涙って、日本人としては理解に苦しみました。
皮肉なのかブラックユーモアわからないけど、ちょっと笑ってる場合じゃない。
とにかく映像は綺麗でホテルは超可愛かった。
個性的で愉快な映画
監督の想いやこだわりがBGMや映像にあらわれていて、不思議さもありつつこじゃれた映画です。
レア・セドゥなど主役級の女優を脇役で映画のアクセントとして使っている監督のセンスがひかっていると思います。また見直したい映画。
POPな画像に酔いしれて…
予告通りに全編ポップでおしゃれな作りになっていました。
ブラックなユーモアもあちらこちらにあり笑えます。
ベルボーイの面接試験で中途半端な経験は全部‘ゼロ’採点されるところがなんとも自分をさされているようで痛い…。
殺しのシーンも以外にエグイ仕上がり、かつ、おまけにアクションシーンもぶち込んでます。スキーとそりの追いかけっこは特に笑える。おいつぬかれつ、描写も落書きみたいな描き方のところもあり楽しい!
エンドロールも必ず最後まで見ましょう。
かわいらしいコサックダンスおじさんがみれますよ。
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