サンシャイン 歌声が響く街 インタビュー: デクスター・フレッチャー、英ミュージカルの映画化に挑んだ「サンシャイン」を語る

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サンシャイン 歌声が響く街

劇場公開日 2014年8月1日
2014年7月30日更新
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デクスター・フレッチャー、英ミュージカルの映画化に挑んだ「サンシャイン」を語る

傷つきバラバラになった家族が、再び希望に向かって歩き出す――イギリスの大ヒットミュージカルを映画化した「サンシャイン 歌声が響く街」は、愛に迷った人々を見つめた人生賛歌だ。俳優、監督として活躍するデクスター・フレッチャーが、パワフルかつ温もりにあふれたミュージカル映画として撮りあげた。(取材・文・写真/編集部)

トレインスポッティング」の製作スタッフが再結集した本作は、「I'm Gonna Be(500 Miles)」をはじめ、スコットランドの国民的バンド「プロクレイマーズ」のヒット曲が彩りを添える。フレッチャー監督は、「私は子どものころからミュージカルが大好きでした。この作品はキャラクター、ストーリーにひかれるものがあったし、映画監督をしていてもなかなかミュージカルをつくる機会はないので、絶対にやりたいと思ったんです」。さらに、デビュー作となったミュージカル映画「ダウンタウン物語」への思い入れも強く、「(同作の)アラン・パーカー監督は、私にとってヒーローのような存在なので、彼を踏襲したいという気持ちもありました」と明かした。

物語は、スコットランド・リースで繰り広げられる。ロブ(ピーター・ミュラン)とジーン(ジェーン・ホロックス)のおしどり夫婦は結婚25周年を迎え、兵役を終えた息子デイヴィー(ジョージ・マッケイ)と久しぶりの再会を果たし、幸せに包まれていた。しかし銀婚式当日、ロブに隠し子がいたことが発覚。同じ頃、娘リズ(フレイア・メーバー)も人生の岐路に立たされ、デイヴィーは恋人イヴォンヌ(アントニア・トーマス)と衝突してしまう。

フレッチャー監督は、本作がボーイ・ミーツ・ガールの物語ではなく、リアルな愛を描いている点にひかれたという。「ミュージカルというと明るく楽しい世界をイメージすると思うし、私も気分が上がるハッピーな映画をつくるつもりでした。でも、光を当てるためには影も描かなければいけないわけで、この作品は愛をとらえるために困難も描いているところがすごくいいと思ったんです。愛はとても複雑だし、今回は3組のカップルに落とし込んでいるので、いろいろな関係性の側面を描けることが魅力的でした」。夫婦、恋人と3組のカップルを通して、愛に迫った。「後半でみんな違う方向を向いてしまうことは、挑戦でしたね。演出として大きなチャレンジだったけれど、だからこそやりたかったんです」

ジーン、リズ、イヴォンヌという女性3人のキャラクターは、直面した問題を乗り越えるたくましさを秘めている。フレッチャー監督は「強い女性を描くということは、自分にとって新鮮でエキサイティングな体験でした。つらい障害や問題にぶつかったとき、男性陣はエモーションにとらわれて一歩も動けなくなってしまうけれど、彼女たちは自分で考えて選択できている。愛情の形はそれぞれ違うけれど、この作品の女性は感情を恐れず、自分がすべき選択をする強さを持っているんです」と語る。

そんな女性のひとり、ジーンは自らの強さに加え、映画版のオリジナルキャラクターであるハリー(ジェイソン・フレミング)に鼓舞され、勇気付けられる。「ジーンをただ浮気をされて苦しんでいる被害者にはしたくなかったので、彼女を幸せにしたいと思っているキャラクターを登場させました。彼女の強さを尊敬し、リスペクトして応援したくなるようにしようと思ったのです」。フレミングとはかねて親交があるそうで「本当に大親友なんです。だけど、スクリーンで見る彼は悪役ばかりなので、心が広く愛情深い彼の素顔が出ている役を演じてもらいたかった」と出演を依頼。「緊張感ある空気のなか、クレイジーすぎるダンスまで披露してくれました」と笑顔をのぞかせた。

劇中では、21曲ものプロクレイマーズの楽曲が使用され、キャスト陣も歌声を披露。すれ違ってしまったデイヴィーと恋人イヴォンヌが、互いの思いをぶつけ合うシーンでは、マッケイとトーマスを中心に、500人ものエキストラが圧巻のフラッシュモブダンスを披露。「I'm Gonna Be(500 Miles)」が、曇り空のリースのイメージを払拭するような青空に響き、生き生きとした人々の笑顔を呼び起こす。

「最後に祝福ムードなシーンをと思っていたから、(撮影は)本当に楽しかったですね。実は撮影中、広場を通行止めにできなかったのですが、買い物や犬の散歩をしている人が興味を持って、急に参加していくことがありました。観客にもリズムを取りながら参加してもらいたいと思っていたので、みんなの笑顔がカメラに収められているのを見て、これでいいんだと感じました。リースの人々は本当に温かくて、みんなで一緒に何かをしたり、楽しいことが好きなんです」

6歳でデビューし、「エレファント・マン」をはじめ「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」「キック・アス」など、役者として40年を超えるキャリアを築いてきたフレッチャー。2011年には「ワイルド・ビル」で、監督としても活動をはじめた。さまざまな形で作品づくりに取り組むことで感じる映画の魅力とは、どこにあるのだろうか。

「演技は大好きだし、楽しいものです。自分自身で気付いていない面、新しい面を発見していくプロセスでもあるし、いろいろなことがわかってくるとリラックスして演じられ、さらに楽しくなる。監督業はその延長線にあって、演技では使わない部分も総動員する感じです。だからフラストレーションもあるし、同時にエキサイティングでとても楽しいんです。どちらも情熱を感じる大好きな仕事だし、自分にとっては同じ世界の異なる側面にすぎないのです。ただ、こうやって監督をできることは本当に運がいいと思うし、しばらくは監督をメインにやっていきたいと思っています」

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3.0 3.0 (全17件)
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