劇場公開日 2014年11月15日

  • 予告編を見る

「三池映画的な要素が薄く、冒頭以降は物足りなさを感じる作品。」神さまの言うとおり Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0三池映画的な要素が薄く、冒頭以降は物足りなさを感じる作品。

2014年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

単純

見所は冒頭の達磨さんが転んだ。
それ以外は普通。
…というか物足りなさも感じました。

原作未読。
そのため冒頭の達磨登場時の違和感。
と同時に繰り広げられる死の童遊び。
ルールが分からない中での探り合い。
世界観、ゲームルール、登場人物像が同時に明らかになる過程は楽しめました。

冒頭はゲーム参加人数が非常に多い。
次々と脱落する同級生の大盤振舞さは豪華であり高揚感がありました。
ビー玉が噴射する演出も新鮮でした。

何より染谷将太 演じるサタケが良かった。
染谷将太が醸し出す独特の気怠さ、隠された聡明さ。
それを惜しげもなく詰め込んだ点は好感が持てました。

ただ冒頭は謎も多く今後の展開に期待が持てたのですが。
蓋を開けてみれば以降は地味な展開。

まず参加人数が大分間引かれた結果、脱落者の数がグッと少なく。
ルールを説明するために遊びが変わる度に捨て駒が消費されるのですが。
捨て駒であるため思い入れもなく、数も少なく非常に地味。
初対面 数分後に脱落…という展開にどう感情移入すればよいのか、展開に置いてけ堀。

また繰り広げられる死の童遊び自体も雑。
知識や駆け引きを駆使した頭脳戦。
…というよりは先の脱落者をヒントに導出した回答。
順番次第の運ゲームのように見えて登場人物の特殊性は然程際立たず。
先述の通り脱落者に思い入れも無いためピンとこない感じでした。

そして設定の説明不足が雑音に。
随所に差し込まれる、隔離されたゲーム会場とは別の外界の様子。
原作では重要人物と思しき人物、しかし本作内では殆ど関与しない人物の扱いが無駄に長い。
原作既読者は合点がいく、或る意味ではファンサービス的な側面があるとは思いますが。
作品単体の印象としては続編への布石にしか見えず雑音になっていました。

少年誌「別冊少年マガジン」の漫画原作であるため。
三池映画的な要素、ヤクザ、人体損壊、エロ、ヤクが大分薄めの本作。
全体的には薄味な作品だと感じました。

出演俳優も既に評価を得た俳優ばかりだったので新たな発掘は少なかったのですが。
唯一、TOHOシネマズ系の幕間案内をしている第7回東宝シンデレラ審査員特別賞の山崎紘菜が嬉しい驚きでした。
幕間案内時はかなりギコチない台詞回しですが本作では汚名返上。
目の強さが印象的。次は荒唐無稽な設定では無い、サスペンス作品等でシリアスな演技を観てみたくなりました。

本作は薄味でしたが、次作「極道大戦争」はヤクザ要素が増し増しになるので期待しても良いのでは。
とは言え映画好きであれば三池映画を観るのは半ば義務。
オススメです。

コメントする
Opportunity Cost