劇場公開日 2014年5月24日

「ひとりさん、一人で何役するのかな?今後が最も楽しみになってきましたね!」青天の霹靂 Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ひとりさん、一人で何役するのかな?今後が最も楽しみになってきましたね!

2014年5月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

タイムトラベラー物が大好物の私にとり、本作はとても大切な1本として記憶に深く刻まれる作品となりました!

本作同様に、今は亡き両親とタイムスリップする事で対面を果たし、素敵な思い出を作ると言う物語の邦画作品の秀作に、山田太一原作、大林宣彦監督の「異人たちの夏」が有った。
邦画のタイムトラベラー映画の中では最高の出来の作品として、一番に名を挙げられるのが、「異人たちの夏」であると信じて疑わない私だが、本作もあの作品に近い優しさ溢れる良い感じの作品に仕上がっていたと思う。
それと言うのも、劇団ひとりさんの書き下ろし作品をご本人自身が監督されていると言う事も大きな要因なのかも知れない。
この原作の魅力を一番に熟知しているのは彼を抜かして他には誰もいないのだから。
本人自身がメガホンを撮ると言うのはやはり最高の魅力になる。
廻りを信頼出来るベテランスタッフで固めれば、初監督でも充分に良い作品を作り上げられるのだろう。
劇団ひとりさんは、これまでにも多数の映画に出演してきて俳優としてのキャリアも有るし、作家の才能も有る、単なるTVの世界だけのお笑い芸人ではないのだから。
そう言う意味に於いても劇団ひとりさんも、北野武に次ぐ監督へと成長していく可能性を秘めているし、そうあって欲しいと期待も多いにしているのだ。
彼のような異業種から参加する人間が映画制作に携わる事で巧く邦画界全体に新たな良い刺激が起こるなら、それこそとても素晴らしい事だ。

只個人的には私はこの作品のラストシーンは気に入らなかった。
その昔、つかこうへい原作の「蒲田行進曲」と言う面白くて、大ヒットした素晴らしい作品があるけれども、あの映画も公開当時最期のワンシーンが有る方が良いか、無い方が感動的になったのではないかと賛否が多いに分かれた。
私個人もとして、この映画の最期のワンシーンは無くても良い気がするけれども、そのワンシーンこそ大切な映画の答えなのかも知れないが、敢えて言わせないでおくことで、想像に任せると言うのが良かった気がするのだが、これは作品に対する考え方の嗜好の問題でも有る気がする。
そう言えば本作に出演の風間杜夫は「蒲田行進曲」の大ブレイクで一躍スター俳優になったと記憶している。あれあれ「異人たちの夏」の主演もそう言えば風間さん。本作品でも風間さん良い役処でしたね。
大泉洋が演じた晴夫は、今回は喜劇的でもあるけれど、でもどちらかと言えばシリアスな役だよね。劇団ひとりは笑えるキャラでしたが、でもやっぱりひとりさんのカラー全開の作品でしたよね!そうは言っても本当は実に柴咲コウの魅力に脱帽する映画なのでした!

ryuu topiann