劇場公開日 2014年9月19日

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「戦火の中でも、相手へ理解を示せば…」猿の惑星:新世紀(ライジング) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5戦火の中でも、相手へ理解を示せば…

2014年9月22日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

大ヒットした「猿の惑星:創世記」の続編。
前作が非常に良かったので楽しみにしていたのだが、期待に違わぬ面白さ!

前作から10年後が舞台。
ガラリと雰囲気や世界観は変わったものの(スタッフ・キャストも一新)、冒頭でその後猿たちはどうなり、人間社会はどうなったのかを簡潔に見せてくれ、掴みはバッチリ!
前作はあくまで人間側の視点だったが、今回は完全に猿視点。
人間側のドラマも描かれるが、ハッキリ言って猿たちのドラマに見入ってしまう。

もうとにかくシーザーが格好イイの何のって!
佇まいもさることながら、馬に乗り仲間を率いる姿なんて、何かの史劇の英雄のよう。
シーザーに惚れ込んでしまう一番の理由は、その人格にあると言える。
リーダーとして何よりも仲間の平和を尊重し、無駄な争いは好まない。敵対する人間たちにも理解を示そうとする。
絶対、北の将軍様なんかより人格者だと思う。
それを感じさせてくれるのは、より進歩したパフォーマンス・キャプチャーは勿論、アンディ・サーキスの名演である事に他ならない。

シーザーも家族を持ち、夫として父として、家族を愛し、大事にしている。
息子とはソリが合わない。父と年頃の息子の確執のドラマは定番だが、こうも直球で見せられると胸が熱くなる。

目が離せないのは、前作でも不穏な存在感を見せていたシーザーの側近のコバ。
シーザーに忠誠を誓っているも、人間に対して憎悪と敵意を剥き出しにしている。それが故に…。

ある擦れ違いで、猿と人類は再び衝突する事になる。
結局、争いの火種は、理解を示そうとしない一部の愚か者の独り善がりの欲。戦って相手を殺せばいいと思っている。
敵対する者同士、和解するのは難しい。全面戦争は避けられない。
しかし、理解を示し歩み寄ろうとすれば、それが平和と共存への一歩になる。

前作超えの130分強。
一時も中弛みすること無く、退屈もしなかった。
シーザーがウィル(前作のジェームズ・フランコ)との思い出に浸るシーンは最大の泣きポイント。
他にも見せ場が多々あり色々語りたいが、ネタバレになってしまう怖れがあるので、これ以上言えないのが歯痒い!
でも、これだけは言える。
スッゴく面白かった!

気になるのは、更なる続編。
独自の展開になるのか、「スター・ウォーズ エピソード3」のようにオリジナル第一作にピタリと繋がるのか、またまた楽しみだ!

近大
浮遊きびなごさんのコメント
2014年10月23日

近大さん、
毎度コメントありがとうございます!
浮遊きびなごです。

おおお、近大さんも同じ所で感動されましたか(笑)。
すでに共感票入れさせてもらってましたが、
もう1票入れてもいいですか(笑)。

そうなんですよね! 彼ってまさしく
新世紀の着ぐるみ俳優なんだと思います。
ご存知かもしれませんが、アンディ・サーキスも
キングコングを演じる際、かつての中島春雄氏のように
動物園に通い詰めてゴリラ観察しまくってたそうですよ。

「CGのせいで生身の役者がいなくなる」なんて
冗談めかした感じで言われることもありますけど、
どんだけ映像技術が向上しても、人間が魂を吹き込んで
やらないと良いキャラクターは生まれないんだな、と
彼らのキャラクターを見ると感じますね。

CG=何でも修正出来るというイメージがあるので、
アカデミー賞会員から冷たく見られてるのかしら。
もっと評価されていいと思うんですけどねえブツブツ……。

相変わらずハイペースで新旧問わず
レビューを重ねておられますね。
次回レビューも楽しみにしております。
ではでは!

浮遊きびなご