サイゴンからの旅人

解説

南部から北部へといたる雄大な風景を背に、ベトナム戦争を戦った亡者の遺骨と、それをひたむきに追う生者の旅を、シャープな映像で描いたベトナム映画。レ・ホアン監督が1997年に若いスタッフとキャストで作り上げ、国内外で高い評価を受けた。ベトナム国内映画祭で優秀作品賞を受賞したほか、元解放軍兵士を演じたコン・ニンが最優秀主演男優賞を受賞。2000年4月１日より東京、シブヤ・シネマ・ソサエティで行われた特集「新しい光と風・ベトナム映画」にて上映された。

1997年製作／99分／ベトナム
原題：Ai xuoi van ly
配給：グループ現代
劇場公開日：2000年4月8日

ストーリー

ベトナム戦争が終わり、活気に沸くサイゴン駅から元解放軍兵士タン（コン・ニン）が列車に乗り込む。彼は戦友の遺骨を故郷の村へ運ぶため、北へ向かう旅に出た。途中の駅から、同じく元解放軍兵士であり、サイゴンの市街戦を戦った仲間である、懐かしい女性ミエン（モック・ミエン）が乗り合わせる。再会を喜び、旅を共にする二人だったが、ふとしたことから列車はタンを駅に残して発車してしまう。バイクタクシーを雇って懸命に追うタンだが、なかなか追いつけない。遺骨はミエンの手に残され、そこからさらなる迷走の旅を始めてしまう。