劇場公開日 2007年3月3日

「綺麗な二十四の瞳を汚しちゃいけない」二十四の瞳 デジタルリマスター版 せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0綺麗な二十四の瞳を汚しちゃいけない

2022年9月19日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

幸せ

小豆島を舞台に一人の女先生と12人の生徒たちが成長と共に戦争や貧しい家の事情に翻弄されていく姿を描いた話。

反戦映画でもあり、原作者壺井栄さんが女性なので女性映画でもあり、幼いあの頃を思い出すノスタルジー映画でもあるエモい映画だった。全編にわたって子供達が誰もが1度は音楽の授業で歌ったであろう童謡を歌ったり、「ふるさと」が何度もBGMで流れてくる。

特に分教校時代(小学校低学年)に先生と歌いながら小豆島の自然の中ではしゃぐ姿は、カメラがその様子を遠景で映してるから遠い昔のあの頃感をより際立たせてエモい。(まぁ私は都会っ子なんでクーラーの効いた涼しい部屋でしか歌ってなかったですけどね笑)

戦争に行かなければいけない男の運命だけでなく、跡継ぎじゃないからこそ、家庭の事情で売られたりどこかの家の息子と結婚させられる運命にある女の悲しみも同時に描かれる。「男に生まれれば家族のために稼いで役に立てたかもしれない」と嘆く少女の言葉は、戦争がない今でも女の苦しみとしてあることなんじゃないかなと思った。

ただ、子役がこの時代だから一般の子で棒読みかつ、方言で昔の話言葉で概ね何言ってるか分からない(笑)小説片手に見るのをおすすめする。

せつこん