劇場公開日 2013年5月25日

「貧しいが豊かだ」三姉妹 雲南の子 目黒の二郎さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0貧しいが豊かだ

2012年12月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

一人っ子政策の中国なのに映画の題名が三姉妹というのはすごい(本当の題名は違うのかもしれないが)。この映画は中国の農村の貧しい生活を描きつつ実は都会では失われた豊かな生活を描いているのではと思ってしまった。
着の身着のままで、食事はジャガイモだけというのは確かに貧しい。寒そうなベットも貧しい。しかしそのジャガイモや立派な青菜のじつに美味しそうなこと。そして三姉妹が助け合って生きていることや親戚の仕事を手伝い食べさせてもらうなど、人と人とのつながりが濃密で豊かだ。
土壁がきれいだ。陽に照らされた土壁の前で談笑する姿は絵のようだ。
松ぼっくりを集めるシーンがある。特に意味を成さないシーンと思ったが、低い松の木がまばらに生えている山を見た時なぜ山に木が無いのだろう、なぜ松の木は低いのだろうと思った。木の乱伐によるせいなだろうか。
声高にメッセージを放つ映画ではないが、いろいろと語りかけてくる映画だった。映像がとてもいい。主人公の長女ががんばって勉強している姿がまたいい。

目黒の二郎