劇場公開日 2013年4月20日

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「史実とは多少違います。が、首狩り族が台湾にいたことに驚愕」セデック・バレ 第一部 太陽旗 BQGMANさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0史実とは多少違います。が、首狩り族が台湾にいたことに驚愕

2014年5月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

難しい

日本統治下にあった台湾で起きた大量虐殺事件がベースになっている本作。
まず、お話しのベースとなった霧社事件と本作とでは、史実、特に数字の面で大きく異なります。なので、あくまで娯楽作品として見る方が適当だと思いました。
霧社事件でセデック族が実際に手をかけた日本人の数は、帝国軍人と警官をあわせてもたったの28人です。
もちろん、最初の霧社での運動会では女や子供を含め140人近くが犠牲になったそうですが、、劇中、掃討作戦時に描かれているような帝国軍人をばったばったと斬り倒し、撃ち殺すなんていうのはなかったのです。あくまで映画的な脚色、つまりフィクションです。
ただ、史実と違うからといってダメだとか駄作だとは思いません。台湾の首狩り族の存在や、殺戮描写は驚愕ですし一見の価値アリ。
また、台湾は極東地域で唯一といっていい親日国家ですしね。そこが作っているだけに、いわゆる韓国や中国のつくる反日・抗日プロパガンダ一辺倒の作品とは一線を画すものです。が、これを見て気分が良くなる日本人がいるかと言えば少ないでしょうね(左巻きな人や売国奴を除けば)。
日本統治下の50年で犠牲になった台湾人(原住民含む)がいなかったわけじゃありません。犠牲者は数千人に上るそうです。でも、終戦後に蒋介石率いる外省人(中国人)が入植し、そこで粛清された台湾人の数は一桁違う数万人ですよ。描くならそっちのほうを、と思ってしまうのは自分だけなんでしょうか。。
現在、台湾は親日ですが、主要メディアの多くが中国資本におさえられており本作同様、ちょっとづつ反日傾向にあります。台湾の歴史教科書は日本統治下を肯定的に50頁に渡り紹介していますが、来年以降は縮小並びに否定的になるそうです。台湾の学生達はこうした中国化を嫌って大規模なデモで頑張ってはいますが、、本作を見ると中国の影が気になって仕方ありません。。

BQGMAN