劇場公開日 2013年1月26日

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「やや古臭い作風も、最後はグッと来る」さよならドビュッシー スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5やや古臭い作風も、最後はグッと来る

2016年2月3日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

萌える

ミステリーとしてはやや微妙も、一人の少女が辿る数奇な運命の物語としては、まずまず見応えがあったかなと。
かなり強引な話ではありましたけどね(苦笑)
いくら現代医療が発達しているからとは言え、あんな大火傷して、橋本愛な状態にまで復活できるはずは・・・。
まあでも、瀕死の重傷を負った少女がピアノ教師と二人三脚で再生していく様子は、ピアノ教師役に本物のピアニスト・清塚信也を起用したこともあってか物凄く説得力もあって、ミステリーの陳腐さを差し引いても十分見れるものだったと思いました。

主人公・遥が抱えてきた秘密も、大多数の方はあっと言う間に気づいたようですが、私は鈍いからか普通に何にも考えないで見てしまった為、最後のどんでん返しに普通にオッ!と驚き、彼女の抱えてきた想いに思わず涙してしまいました。
遺産を巡るショボいサスペンスの方に気を取られてしまった分、余計に感動しちゃいましたよ。

そのサスペンス部分に関しては、かなり古臭い、2時間ドラマのような作風で、突っ込みどころも満載。
原作はかなりの人気作なようなので、単純に映画版の見せ方が酷かったのでしょう。
ただ、ピアノ教師が検察庁の検事の父を持ち、司法試験もトップの成績で受かっている才能の持ち主と言う設定は、なかなか面白かったですけどね。
でも、ピアノを演奏する清塚は素晴らしかったけど、探偵の清塚はドヤ顔もあって私的にはちょっと微妙だったかなぁ(苦笑)

一方主演の橋本愛は、本当に陰のある役どころが嵌ります!
台詞回しは毎度のことながら感情が乗ってない感じで多少気になるのですが、雰囲気に関しては抜群ですね。
彼女の魅力なくして秘密が明かされていく鮮やかさなし、まさしくこれぞザ・橋本愛ムービーって感じでした。
この映画はミステリーとしてではなく、青春音楽映画、または橋本愛鑑賞映画として見るべき作品でしょう。

スペランカー