劇場公開日 2005年1月15日

「4点つけたら じじいと言われた・・・」北の零年 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.04点つけたら じじいと言われた・・・

2019年8月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「お父上はどこへ行ってしまわれたのですか?」
「札幌へ行ったとばかり思っていましたが、どうもハリウッドまで行ってしまわれたようですよ」
「稲は持ちかえってくれるのでしょうか?」
「向こうの人に気に入られてしまって、悪者になって登場するような気がするのです・・・」

 『ラスト・サムライ』公開時からかなり宣伝していたのを思い出す。当時は内容もさっぱりわからなかったが、謙さまがオスカー候補になってから脚本を大幅に書き換えたような気がしてならないほど意外な展開があった。見る前は「どうせ『デビルマン』の脚本家だし・・・」と全く期待しなかったのが幸いして、168分も全く飽きることなく集中して鑑賞できました。まぁ、方言とか敬語とかが雑すぎますけどね・・・

 馬をメインのアクションに使ったり、○○○の大群といい、開拓民とアイヌの絡みといい、まるでハリウッド西部劇大作だと感じたのですよ!もしかすると、どこかの西部劇をちょっとずつパクっている可能性もあるけど、日本の歴史を見事に取り入れた大河ドラマに仕上げたことに拍手したいです。

 サユリストの方には申し訳ないですが、吉永小百合の演技はダメです。ぎこちない敬語と一本調子な感情表現は荒々しい北海道の自然に対抗できないように感じました。良かった俳優は石橋蓮司と平田満。石橋蓮司は『理由』『東京タワー』と、今年観た映画に連続して出演しているので早くも「2005年最多出演賞」にノミネートです・・・

 馬のシーン以外で良かったのが吹雪の中の母娘のシーンです。『八甲田山』以来、凍え死んでしまいそうなくらい寒々としたところで、思わず凍死しそうになりました(まさか・・・)。場内には、平日昼にもかかわらず50人くらい(9割くらいがシルバー)いましたけど、みんな寒そうでした。

kossy