「観るたびに新たな発見」アマデウス ディレクターズ・カット版 shironさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0観るたびに新たな発見

2015年1月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

今回は、日本語吹き替え追加収録を記念した試写会でしたが、
三ツ矢雄二さんから当時の貴重なお話を聞いて鑑賞する『アマデウス』はとても贅沢な時間でした。

日本語吹き替え版の魅力は、その技術の高さもさることながら、
①文字数の制限が無い分、字幕版より情報量が多い。
②役者さんが同時に話すシーンでも、両方のセリフが追える
③役者さんの演技に集中出来る
などがあると思います。

字幕版で観て鳥肌がたった口実筆記の名シーンは、②のお陰で更に臨場感が増したように感じました。
モーツァルトの頭の中で鳴り響いている音楽を、一緒に共有出来るサリエリ。
二人だけが分かり合える世界の、なんと濃密なことよ(≧∀≦)

また③では、今まで気づかなかった脇役の魅力が見えてきて、
なかでも、サリエリに雇われてモーツァルトの家のお手伝いさんとなる少女が、すごく良かった。
ニコニコお菓子を頬張りつつ、時折見せる闇の表情から、幼い兄弟を養っている感が透けて見えるようでした。
出棺を見送るシーンでは、悲しみにくれる妻のコンスタンツェの表情が帽子のベールで見えないのとは逆に、最後まで馬車を見つめる彼女の表情が印象的でした。

コンスタンツェと言えば、追加されたシーンのせいか、私が歳をとったせいか、ものすごく可愛くて魅力に感じました!(*゚▽゚*)
宮崎美子さんの声がピッタリで、お金の事で欲深い事を言ってても、いつまでも世間知らずの少女みたいに可愛くて可愛くて。(*´꒳`*)
何者にも侵されないピュアな愛が聖母的。

そして、サリエリが凡人達のメシアになってくれるラストには、何度観ても感謝してしまいます。
ありがとうサリエリ。(T人T)

shiron