劇場公開日 1947年6月24日

十三の眼のレビュー・感想・評価

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4.0現代人必見の一編

2021年10月11日
PCから投稿

GHQの眼が光っていた時代の映画。見どころ満載なので、ぜひ、一見してほしい。
モノクロ、縦筋(雨模様)かすかに、未熟なトーキー・演技・・・
ビールの大瓶、栓抜きで、瓶の頭をコンコン叩いて、ぷしゅぅぅー・・・泡が飛び出る・・・
なぜこんなやり方をしたのか、今もって不明である。
現代劇千恵蔵、いいなぁ。

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風レンズ

3.0元祖カメレオン俳優片岡千恵蔵

2020年11月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

1947年(昭和22年)GHQの管理下の元にチャンバラ映画は禁止され現代劇しかできなかった時代
剣劇スター片岡千恵蔵のために作られた多羅尾伴内シリーズの第二弾

かつて怪盗だった藤村大造が足を洗い探偵になった
その恩人である警察官が殺される事件が発生した
歓楽のデパート「ユニオンガード」は伏魔殿
犯罪組織に乗り込む藤村

十三の眼は7人の敵の目の数
1人は片目だから
十三の眼だからといっておばけではない

今回の多羅尾伴内も次々に変装
片目の運転手に手品師に易者に露天商に
これがこのシリーズの醍醐味
日本刀は使えないので拳銃を乱射する
これもこのシリーズの醍醐味

この頃の警察はパトカーではなくサイドカー

この作品の監督松田定次の父親も映画監督で日本映画の父と呼ばれた牧野省三
彼の映画制作のモットーは「1.スジ、2.ヌケ、3.ドウサ」
スジはシナリオ
ヌケは撮影・現像の技術
ドウサは俳優の演技
牧野は「ホン(脚本)さえよかったら、誰でもいい演出家になれる」という考え

しかしこの多羅尾伴内シリーズは3と1が逆になっている
脚本がたとえクソでも片岡千恵蔵クラスなら娯楽映画としてなんとかなるのである

映画しか娯楽がない時代に単純明快な話で大スター片岡千恵蔵がスクリーンで活躍する姿を観客は求めている
それが戦争の傷を癒す一番の薬なるのではないか

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野川新栄