花の日月

劇場公開日:

解説

企画は「面影三四郎」の土井逸雄「女の闘い」「のど自慢狂時代」につぐ八住利雄のシナリオ「毒薔薇」につぐ久松静児、キャメラは同じく「毒薔薇」の高橋通夫、出演は「恋狼火」につぐ山田五十鈴「三つの真珠」(大映京都作品)「青い山脈(1949)」(東宝作品)の龍崎一郎ほか「白虎」につぐ杉狂児「毒薔薇」の星美千子「虹男」の小林桂樹らが共演する。

1949年製作/89分/日本
配給:大映
劇場公開日:1949年9月4日

ストーリー

坂井病院の一人息子真二郎は戦時中軍需工場で知り合った芸者の美栄がわすれられず父院長のすすめる姪の由貴子との結婚をきらってついに家を飛び出して一人アパート生活を送っていた。ところが父の急死で、坂井病院に多額の出資をしている新興成金の筒井は、その機に乗じて坂井病院を乗っとろうとたくらんでいたのだ。この危急を救うためには是非とも真二郎は家にもどらなければならなかった。父院長は美栄との結婚を頑硬に反対していたが、父が死んでみると、母のくめも、姪の由貴子も心の暖い人達で美栄を喜んで迎い入れようとしていたのだった。ところが姪由貴子の口から筒井の行為を知り日頃からうるさくついきまとう、しっとにもえる筒井の魔手から真二郎を救うためにそして温かい家庭の人達のもとに真二郎をかえすために、美栄は真二郎と別れる決心をしていた。ある日最後の別れを惜んで、何も知らない真二郎を伊豆の温泉地まで連れ出したが、筒井の目はそこまでも、しつように二人の仲に入った。美栄は筒井のもとを逃れて、フト知り合った浜田と恵子のいる一座に入ることになったが、偶然にもそこで昔美栄のところで働いていた、男芸者の万六に出合ってしまった、美栄にとってはそこも安住の地とはいえなかった、昔から美栄にはひそかに好意を持っていた万六がいまふたたび言いよってきたからだ。全力をつくして美栄の行方を求めていた真二郎は、ふとラジオで旅回りの一座がうたう端唄が美栄の声であるのを知ってそれをたよりに探した末、再びめぐり会うことは出来たが、フトした誤解から、美栄はふたたび行方をたってしまった。美栄に逃げられた筒井は真二郎が美栄をかくまっているものと思い込んで、真二郎のもとに子分を送って暴力をふるって真二郎を失明させてしまったのだ。それを知った美栄は東京にもどってきたが、もとの家で筒井に出会って手ごめにされようとして争っているとき、あやまって筒井は窓からてん落して動かなくなってしまった。人殺し、人殺し!とっさに美栄は放心状態のままそこを飛び出し、入院中の真二郎のもとに愛のきずなでひきよせられてきていた。いまは失明して寝ている真二郎だったが、美栄のいるのをいち早く感じとった。美栄!真二郎の声は喜びにふるえていた。筒井の生命はどうやらとり止めたらしい。真二郎と美栄は幾月ぶりかで誤解もとけ、再会を喜び合った。しかし美栄は罪に服するために直ぐ去って行かなければならない。真二郎に送られて、美栄は晴々とした気持で警察の門をくぐったのである。

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