嵐の中の姉妹

劇場公開日:

解説

加賀四郎の企画で「新愛染かつら」の川口松太郎原作を「拳闘狂一代記」の柳井隆雄が脚色し「男が血を見た時(1949)」につぐ田中重雄が監督する。カメラは「母(1948)」「死美人事件」の山崎安一郎が担当する。主演は「母紅梅」「静かなる決闘」の三条美紀、「幽霊塔」の植村謙二郎で、それに「天狗飛脚」「紅蓮菩薩」の相馬千恵子「幽霊塔」の羽鳥敏子「検事と女看守」の浦辺粂子のほか淡島みどり、清水将夫、及川千代らが出演する。

1949年製作/81分/日本
配給:大映
劇場公開日:1949年4月4日

ストーリー

ここに運命の姉妹がいる。彼女らには両親がなく割烹「深水」は姉の清子が切り回していた。妹の滋子は女子外語専門部の学生である。冬休みにらん子たち学友とスキーにいき大沢千春という青年と知り合った思い出を懐かしんでいる滋子の寄宿舎に、突然家から呼び戻しが来た。そこで滋子はあまりにも意外なことを知った。姉は大沢という男の妾をしてそれによって家を切り回していたのだ。その大沢が死んだ。そして清子は大沢の子を宿していた。だが清子は単なる妾でなく、愛情で結ばれていたのだ、と、清子は滋子に告白した。滋子は姉をはげまし、大沢の家を訪れた。それは清子の子を認知してもらうために--。そこで滋子はスキー場での大沢千春に会って驚いた。彼は死んだ大沢千秋の息子であった。だが千春はなぜか姉妹の誠意を汲み取ってくれず、冷たく子供の認知を拒んだ。滋子は悲しかった。そして千春を憎んだ。姉妹の生活は急転した。家をたたみ、滋子は学校をやめ、らん子の父の行為で資金を得、銀座裏におでん屋を開いた。清子はやがて男の子を生み武男と名付けた。滋子は夢中になって働いた。しかし清子は産後病床につきはかなく世を去った。滋子は武男の認知をくちびるをかんで千春にたのんだがその度にこばまれ、武男を抱え途方に暮れた。そのときらん子の父から求婚されて滋子は千春の意地で結婚を決心した。らん子は驚き、滋子の本当の心が千春にあることを知って千春に会い滋子のことを話した。千春は夢からさめたように何か決心するところがあった。--故大沢千秋一周忌法要の日、滋子と武男を招いた千春は親戚一同に武男の認知を披露した。千春は本当は大沢の子でなく、本当の子の武男の出現によって財産相続権のなくなる千春を、悪らつな叔父西垣が今日までおどしていたのだった。だが今敢然と千春は良心の命ずるままに、故人の前で発表したのだ。滋子は武男を抱きしめて泣きくずれたのだった。

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