のらくら海浜騒動

劇場公開日:

解説

アメリカM・G・M映画のアボット、コステロの凸凹コンビ、ローレル、ハーディの極楽コンビを真似て日本では松竹が大船でシミキン、堺駿二の凸凹コンビ、京都で岸井明と軽喜劇より転じた森川信ののらくらコンビで喜劇に新境地を拓こうとしている。シミキンものが年四本、のらくらものが年三本それぞれ予定されていて、この「のらくら海浜騒動」は「彼と共に去りぬ」に次ぐのらくらコンビ第二作である。企画の小倉浩一郎、監督の高木孝一は前作と同じで、脚本は同じ長瀬喜伴が「追跡者」の中山隆三と共同で執筆に当たっている。主演は六尺、三十三貫の巨漢岸井明(新東宝)と小男の森川信がコントラストの妙よろしく競演し「春爛漫狸祭」の曉照子が大映の「ぜったい愛して」とかけもちで出演、千明みゆきは大映の千明明子の改名。

1948年製作/66分/日本
配給:松竹・京都
劇場公開日:1948年8月30日

ストーリー

トラックの運ちゃんである仙太と、助手の亀吉は、八月の炎天下を飛ばして海浜で一休みした。楽しそうな海水浴の人たちを見て、毎日の冗費を節約して来年は一つ泊まりがけの避暑をやろうじゃないかと励まし合う。そして一年、待望の八月が来た。二人は一張羅を着込み、有金を懐中に、海岸町の駅についた。この二人を「いい鴨」とばかり早速目をつけた二人の女--トシ子とひさ子という東京から海を目当てに荒かせぎに来た不良少女である。仙太と亀吉はホテルに着いてすぐ水着となったが、全然泳ぎを知らないので、海に行かずに町の図書館に入り「水泳の手引き」「泳ぎ方早わかり」をかりて、水泳の机上研究をする。トシ子、ひさ子も二人を追って図書館に入ってみると、二人のおお盛なる研究心は遂に机上実演にまで発展して、係員を怒らせ、遂に図書館を追い出される。不良少女たちもこれにはいささか唖然としたが二人をどこまでもヤミ成金と踏んでトシ子は仙太に、ひさ子は亀吉に直接行動をとる。東京の令嬢と見誤った仙太、亀吉はトシ子、ひさ子をホテルに案内する、令嬢の手前紳士気取りの二人は、すっかり不良少女につけ入られて、結婚を条件にまんまと有金をまき上げられてしまう。とは知らない二人は有頂天になった、その翌日、ボーイが五日目の勘定をもって部屋にやってくる。ここで彼女たちは昨夜おそく東京に帰り、その勘定書もこちらに回っていることを知って、始めてだまされたと知り、気のいい二人も真っさおになる。しかし後の祭りでどうにもならず、二人は無銭宿泊の代償としてホテルの雑役に服することとなる。そして幾日、町は「海のカーニバル」が催され、牛のかわりになって山車を引く二人は、舞台の上にならぶ水着美人コンクールの候補者の中にトシ子、ひさ子を発見する。逃げるトシ子たち、追う仙太たち、珍無類の追っかけがあって、トシ子たちも改心し、二人はホテルのウエイトレスとなり、仙太、亀吉と一緒になって働くのだった。

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