初恋物語(1947)

劇場公開日:

解説

「踊子物語」の八木沢武孝の脚本を同じく「踊子物語」の小石栄一が監督する。撮影は「盗まれかけた音楽祭」の高橋通夫の担当。主演も「踊子物語」と同じく上原謙、三條美紀のコンビ。

1947年製作/78分/日本
配給:大映
劇場公開日:1947年8月19日

ストーリー

北の大学理学部丸岡研究室に、ある日オツに取り澄まして上品ぶった紳士が丸岡博士に案内されて入って来た。研究室の助手立川理学士は、一目見た時からどうも虫が好かない。この男、今度新しく補助員に志願して就職した菅君という。物腰動作総てがいやにオットリと落着いているのが、立川助手に限らず学生達にも気になる。菅君はその日から丸岡教授宅の二階に寝泊まりすることになった。丸岡教授には真理子という娘がいてその真理子の恋人が立川理学士というわけだが、菅君が真理子の家に世話になっているのは、立川には内心余り面白くない。立川は何かにつけて菅君を毛嫌いするが、菅君の方は至極無邪気で、立川氏の底意が判らない。だからラグビーの試合に無理矢理引ッ張り出された時も、自分に赤ッ恥をかかせようとの立川の悪企みを読みとろうとしなかったばかりか、返って素晴らしいフントウ振りを見せて味方を勝利に導いてしまう。この一件で立川はすっかり参ってしまった。他の学生達も菅君を見直したが、そんな事より問題なのは立川助手の妹で構内売店に勤める美代子が菅君をすっかり好きになってしまった事だ。そして菅君もまた美代子が一刻も忘れられない存在になっている。しかもこの菅君というのが、実をいうと、臣籍降下したかつての春日宮殿下なのだから問題がいささかややこしくなる。

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