南氏大いに惑う

劇場公開日:

解説

源氏鶏太が「講談倶楽部」に連載した同名小説の映画化。脚色は「恋は異なもの味なもの」の共同執筆者の一人長瀬喜伴。監督は「駐在所日記」の枝川弘。撮影は「有楽町で逢いましょう」の秋野友広。主演は「悲しみは女だけに」の船越英二、市川和子、「愛河」の角梨枝子、「大都会の午前三時」の川上康子など。

1958年製作/83分/日本
劇場公開日:1958年5月19日

ストーリー

南氏は小さな鉄工会社の青壮社長である。ある夜、見知らぬ若い娘から「私を一万円で買って」とささやかれた。が、娘はあまりにあどけない。十九才だと。名をはるみという。南氏は驚いた。彼の末娘と同じ名だったから。彼女の父は戦死し、母が病気で、その治療費をどうしても手に入れようと、はじめて男に話しかけたのだといった。南氏は、はるみに一万円を渡した。君に無期限で貸そう。家に帰ると、南氏の妹広子が夫婦喧嘩の挙句やってきていた。夫の内田が十九才の愛人をつくったからだという。さてはや! 南氏は翌日、内田のところへ行き、妹と別れさせると怒った。その愛人昇子が南氏をうっとり見つめていた。南氏は再会を約したはるみと会った。はるみは彼にすっかり“なついた”。そこで南氏は彼に岡惚れの芸者とん吉にあい、彼女の旦那深井工業の深井氏の部屋へ行った。南氏の会社の経営状態が切迫して、彼に融資を申しこんでいたのだ。深井はむしろ二千万円で会社を買い取ろうといった。南氏はその帰途、なじみのバー景子の店へ行く。景子は妙に彼に媚をふりまく。そのとき、先日の昇子が南氏の横に坐った。それ以後、南氏は昇子に引きずり廻される。彼女はわれから彼に接吻した、--こうして、彼をめぐる五人の女は揃った。愛妻朝子をはじめ、昇子、はるみ、景子、とん吉。南氏は大いに惑ったのである。--はるみの会社がつぶれた。どこかに買収されたのだ。それを聞いて、南氏は社員がかあいそうになり、深井氏の買収を断った。が、深井氏はそれを賞でて、彼に無条件で融資した。昇子は深井氏の娘だった。彼の会社に入り、若い技師と親しくなった。とん吉は深井とよろしくやる。景子にも旦那がいた。妹も内田と仲直りした。それでいいのだ。南氏ははるみと待合せした。が、現れたのは実子の方のはるみだった。それをもう一人のはるみが、にっこり見送った。彼女がそうさせたのだった。

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