無法街(1956)

劇場公開日:

解説

探偵作家島田一男が“面白倶楽部”に発表した推理小説の映画化である。無法街に挑戦する正義の弁護士の活躍を中心としたアクション・ドラマ。「忍術左源太」の小川正が脚色し、「三っ首塔」のコンビ小沢茂弘と星島一郎が監督、撮影を夫々担当した。主な出演者は「げんこつ社員」の波島進、「三っ首塔」の南原伸二、「母子像」の中原ひとみ、三笠博子、「異国物語 ヒマラヤの魔王 (三部作)」の浦里はるみ、「頑張れゴンさん」の小宮光江など。

1956年製作/74分/日本
劇場公開日:1956年6月8日

ストーリー

麻薬取締法で検挙された白木軍平は、裁判費用を捻出しようと密輸品の消音拳銃を、無法街の帝王加茂大蔵に売りつけようと上野にやって来たが、取引に現われたのは勝中組の組長勝次であった。勝次は大蔵に縄張りはおろか情婦美沙子まで奪われ、大蔵に激しい復讐の念を燃していた。彼は白木から言葉巧みに拳銃を受取り無残にも殺してしまった。翌日、上野署に、白木が裁判弁護に依頼していた弁護士南郷一郎が参考人として現われた。一郎が協力を申出て事務所に戻ると、そこに大蔵の妻とし子と妹亜矢子が待っていた。白木が生前、大蔵に送った手紙の中身が、一郎宛のものと間違って入っていたから取換えてくれという。その時、一発の銃弾が音もなく飛込んだ。一郎の受取った白木の大蔵宛の手紙は、弱身につけ込んだ脅迫状であった。その夜、一郎は一計を案じ、大蔵に白木の告白書があると通告、アジト新世界ホテルに乗込んだ。そこは賭博と麻薬の巣窟で、とし子や美沙子の姿もあった。大蔵は白木の告白書を買取ろうと持ちかけ、一郎を伴い喫茶店ポニーに入ると、そこに亜矢子に言い寄る勝次がいた。出て失せろと叫ぶ大蔵に、勝次は近く縄張りを貰いに来ると捨台詞を残して去った。一郎が大蔵と別れて表へ出ると暗闇から亜矢子が現れ、今頃姉とし子が大蔵の命令で白木の告白書を盗みに行っていると聞かされた。急ぎ事務所へ帰ると、とし子は挙銃で殺され、傍に落ちていたバッジから犯人を大蔵と思った亜矢子は、新世界へと向った。ホテルの表で勝次を見つけた亜矢子は大蔵を射つべく協力を求めた。勝次は大蔵の前に出て一挺の消音拳銃を差出し引換えに縄張りをよこせと迫ったが、その瞬間、手入れの為ホテルを取巻く警官隊のサイレンが鳴り渡った。ごった返す中で勝次は大蔵を射殺、亜矢子を連れて警戒線を越えた。二人の姿を見て尾行した南郷はガレージに忍び込んだが、そこには昂奮した美沙子がいた。美沙子は狂気のように勝次を指して、白木を殺し、とし子を狙えと命令したのはお前だと喚いた。それも束の間、殺人鬼の本性を現した勝次は、真相を知って逃げる亜矢子を襲ったが、一瞬、一郎の捨身の前に斃れた。

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