千姫(1954)

劇場公開日:

解説

永田雅一の製作になるイーストマン・カラーの時代劇で、今後は大映カラーと称する。「花の白虎隊」の八尋不二の脚本を、「愛染かつら(1954)」の木村恵吾が監督する。撮影は「死美人屋敷」の杉山公平、音楽は「君死に給うことなかれ」の早坂文雄の担当である。出演者は「浅草の夜」の京マチ子がヒロインの千姫を演ずる外、「月よりの使者(1954)」の菅原謙二、「花の白虎隊」の峰幸子、小町瑠美子、三田隆、花柳武始、市川雷蔵、「鉄火奉行」の大河内傳次郎、「人生劇場 望郷篇 三州吉良港」の山形勲など。

1954年製作/95分/日本
原題:Princess Sen
配給:大映
劇場公開日:1954年10月20日

ストーリー

大坂夏の陣に於て、大坂城の豊臣一族はすべて城と運命を共にしたが、秀頼の妻千姫だけは侍女おちょぼの気転と、関東方の猛将坂崎出羽守、その家来湯浅新六らの働きにより、奇蹟的に救出された。千姫は家康の孫であり、元々人質同然の生活をすごしてきたのだったが、この日家康が「千姫を救った者に姫を与えよう」と口走ったことで、出羽守は懸命に千姫を求めていたが、千姫はそれを頑強に拒んでいた。困じ果てた家康は、出羽守には領地を加増し、その隙に千姫を名門の青年本多平八郎に嫁がせようと考えた。無念の出羽守は、千姫の輿入れの行列に斬りこもうとしたが、逆にはばまれて、絶望の中に自らの槍を以て自決し果て、従者新六は何処となく姿を消した。だが晴れの婚礼を前に控え、花婿の平八郎は病死してしまった。それ以来、千姫は、吉田御殿の主として、美しい小姓たちをはべらして、日夜遊興にふけった。侍女おちょぼは、今では松坂の局と名を改め、伏見城勤番の青年旗本松井主税と恋を語らう様になっていた。だが真実の恋に見はなされた千姫の心は淋しかった。ある時、傀儡師に化けた秀頼の遺臣たちが、突如白刃を閃かして千姫に迫ったが、彼女の命を救ったのは庭番新八郎だった。この男こそ、かつての出羽守の腹心新六が、主の仇千姫の命を狙うための仮の姿だったのだ。そうとも知らぬ千姫は、彼に思慕の情をつのらせ、ある夜彼を寝所に招いて愛の心を打明けた。今では劣らず千姫を愛していた新六は、果して己が秘密を打明けるべきかに心が激しく動揺した。恋と復讐の板ばさみに悩んだ新六は、初めて知った真の心をあきらめた千姫が松坂の局と主説の恋をとげさせ自らは尼となった日、尼寺へむかう姫の行列の前で自殺して果てたのであった。

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