母の罪

劇場公開日:

解説

最近流行の浪曲映画を三門博、天津羽衣の特別出演を得て東映東京が初めて作ったもの。明治文壇の名作菊池幽芳の「己が罪」に取材して、「死の街を脱れて」の館岡謙之助が脚本を書き、「紅涙草」の伊賀山正徳が監督している。撮影は「霧の夜の兇弾」の西川庄衛。出演者の主なものは「水色のワルツ」の折原啓子、「恋の応援団長」の伊豆肇、「霧の夜の兇弾」の植村謙二郎、ほかに石黒達也、千石規子、山口勇、子役として有馬修、木幡泰が出ている。

1952年製作/96分/日本
配給:東映
劇場公開日:1952年8月6日

ストーリー

女道楽高木に純潔を奪われて身妊った圭子は、やがて男の子を生んだが、圭子の将来を考える父庄蔵はお島のもとに里子に出した。間もなく圭子の傷心も癒え三島財閥の御曹司敏正と結ばれ、誠実な夫に過去を打ち明ける間もなく幸福な八年は夢の如く過ぎ去り、今は夫との間に一子正夫を持つ身だった。一夏、正夫の静養の為房州に出かけた彼女は、かつての吾が子がここで雑貨商を営んでいるお島に養われている事を知り、正夫と仲良くなったター坊がもしや吾が子ではないかと思ってみるのだったが、お島の出現で、それが現実であることがわかった。叉かつての高木は再び圭子につきまとい始め、いろいろと脅迫する様になった。それと名乗れぬ吾が子の事と高木の事で、圭子には懊悩の日々が続いた。ある日正夫は母の留守を狙って名物カブト岩に遊びにゆき、満潮に迫られて母と太一郎の名を呼ぶのだった。血は引き合うのか、浜にいた太一郎は正夫の姿に惹き寄せられたかの様に泳ぎ出す。浜では大騒ぎとなって救助船を出したが、乗せてきたものは兄弟とも知れず抱き合った二つの骸であった。駈けつけた圭子は気を転倒し、見る人の涙を誘った。今は極悪非道な高木も前非を悔い、三島も彼女の過去一切を知った。圭子は一切の罪をつぐなう為に死を選ぶが、夫の愛に凡てを許され、新生活への第一歩を誓うのだった。

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